三重の木づかい人
第8回 ノッティーハウスリビング(三栄林産株式会社)平成27年8月17日
「三重の木づかい人」第8回は、ノッティーハウスリビング(三栄林産株式会社、亀山市)の坂成哉さんにお話を伺いました。
ノッティーハウスリビングでは、山から下ろされた丸太の状態の原木を加工する製材業を営むとともに、そこから生産される製品を活用して、自然に暮らすことのできる木の家づくりをされています。また、地元で育ったスギやヒノキを使ったオーダー家具の製作販売や家具づくりの体験イベントなど、「木を楽しむていねいな暮らし」をコンセプトに幅広い活動を展開されています。今回は、そのノッティーハウスリビングで建築設計・デザインを担当されている坂さんに、地元の木材への想いや家づくりへのこだわりをお聞きしました。
家づくりへのこだわりやコンセプトを教えてください。
ノッティーハウスリビングでは、製材から家づくり、家具づくり、木に関わる体験イベントなどいろいろなことを行っていますが、すべての活動の根底には、「木を通じて社会貢献がしたい」「子どもたちの将来のために地域の森林環境を整えバトンタッチしていきたい」という想いがあります。そういった想いから家づくりにおいても、地元の木材を積極的に使っていきたいと考えていますし、同時に三重県で暮らす私たちにとっては、三重県で育った木材が最も相性の良い材料ではないかと思っています。
地元で育ったスギやヒノキを内装にふんだんに使用し、春夏秋冬をより省エネで快適に過ごしてもらえる家づくり、新築時から10年、20年、30年と家族の成長に合わせて、可変的に対応できるような家づくりをしたいと思っています。
建築士の視点から見たスギやヒノキの良さや特徴は?
スギについては、木目がやさしく、見ていて落ち着く、内装にとても適した材料だと感じています。見た目以外にも、高い調湿機能を有しているので、四季を通じて快適な室内環境をつくることにつながると思いますし、最近ではスギの持つ空気浄化作用に関する研究結果なども発表されてきています。こういったものがもっと発信されていけば、スギが内装に使われる住宅がもっと増えていくのではないかと思います。
また、ヒノキは、強度や耐腐朽性などに優れています。このことから、ノッティーハウスリビングでは、高い耐腐朽性の要求される土台と強度が求められる通し柱にはヒノキを使用して家づくりを行っています。
家具づくりへのこだわりを聞かせてください。
家具づくりについては、スギやヒノキの内装に合わせた家具がほしいというところから始めました。スギやヒノキを使ったオーダーメイドの家具を職人がひとつひとつ作っていますので、お客様の住まいに合わせたいろいろな寸法に対応できることが強みだと思います。住宅を新築される方だけでなく、都会のマンションに住む方など、多くの方に木を使った暮らしを提案し、一生使ってもらえる本物の木の家具を提供していければと思っています。
また、日本の山や木が、多くの方にとって身近な存在になってほしいとの想いから、ダイニングテーブルや学習机の手づくり体験などを行っています。こういった活動を通じて、多くの方に山や木のことを知っていただき、日本の山を元気にすることにつながっていけばと思っています。
ノッティーハウスリビングの詳細については、下記HPをご覧下さい。