林道事業
林道とは?
1.林道とは
一般的に、森林内にある道路を、広く林道と言う場合もありますが、国の補助を受けて整備する林道とは、「林道規程」に基づく恒久的な公道をいい、道路法、道路構造令に基づく一般道路(国道、都道府県道、市町道)や、公道でない森林作業道と区別しています。三重県内にある林道は、市町や森林組合が管理主体になっています。
2.森林作業道とは
森林作業道は林道を補完する簡易な道で、目的とする作業のために開設されます。
3.林道、森林作業道の役割
(a) 作業現場への歩行時間が短縮され、森林作業者の就労条件の改善、森林整備の効率化が図れます。
(b) 保育作業や木材伐採搬出作業のコストの軽減が可能になり、作業効率が高まり、収益性の向上が図れます。
(c) 生活基盤の整備が遅れている山村地域の生活道路として定住環境の改善が図れます。
(d) 森林浴などレクレーション利用、森林体験や森林学習フィールドへのアクセスが容易になります。
路網整備の考え方
よく林道網は、木の葉の葉脈に 例えられます。 |
コストを掛けずに路網整備を進め、間伐等の森林整備や森林資源の搬出を効率的に実施するためには、林道と森林作業道を適切に組み合わせることが重要です。
森林作業道においては、林内作業車や軽四輪駆動車が通行できる最小限の構造等で、現場移動の軽減と、作業現場と林道との間で間伐材等の小規模な運搬を可能とし、林道においては、大型トラックの通行に必要な規格・構造を有し、これら集積された森林資源を市場まで効率的に運搬します。
森林作業道だけで路網を形成すれば、森林資源を少量ずつ長距離にわたって運搬しなくてはならないなど非効率になり、経費等が大幅な掛かり増しとなるなど、森林整備に要するコストが大幅に増加します。加えて、森林作業道は、その簡易な構造が故に災害を受けやすいが、恒久施設でないことから災害復旧事業の対象にならないなど、持続的に森林整備に利用していくためには、林道との連携による林内路網を整備することが重要です。
林道区分
1.幹線林道(森林基幹道、森林管理道)
幹線林道は、広域な森林地域を利用区域とし、大型トラックの通行が可能な骨格的な路線のことです。
2.支線、分線(森林管理道、森林作業道)
使用する運搬車や機械の規格、使用期間を考慮し、支線、分線をうまく配置して効率と費用の面から、森林施業に最適な路網を整備します。
林道・森林作業道の役割
1.森林の多面的機能の持続的発揮
(1) 適切な森林整備の推進
- 適時適切な整備
- 多様な森林づくり
(2)保健休養機能等の発揮
2.林業・林産業の振興
(1) 林業生産の増大
- 資源の循環利用
- 林産物の持続的供給
(2) 林業生産性の向上
- 造林・生産コストの低減
- 通勤時間の短縮
- 機械化の推進
(3) 林業就労条件の改善
- 歩行時間の軽減
- 機械化による作業の軽減
3.山村の活性化
(1)地域交通の改善
(通勤通学)
(2) 地域産業の振興
三重県の路網整備支援策
林道、森林作業道の開設について
1.県営林道事業
市・町の基幹的な林道、2つ以上の市・町を連絡する連絡林道など規模の大きなものを市・町に代行して、県が整備を行います。
2.国補林道事業(実施主体:市・町、森林組合)
市・町、森林組合が実施する林道開設や既設林道の改良、舗装等に対し、事業主体に補助を行います。
3.県単林道事業
市・町、森林組合が実施する小規模な林道、森林作業道の開設等に対し、県が単独で補助を行います。
災害復旧について
1.林道施設災害復旧事業(実施主体:市・町、森林組合)
暴風、洪水、地震、その他の異常な天然現象により生じた災害について、原形に復旧する工事の費用に対し補助を行います。