三重の木づかい人
第13回 株式会社丸栄製材所 平成27年11月5日
「三重の木づかい人」第13回は、伊賀市・名張市でヒノキの良材を中心に製材を行う株式会社丸栄製材所を訪問し、代表の宮脇昌弘さんにお話を伺いました。
丸栄製材所では、「日本の杜、檜の文化に献上する」という理念のもと、神社仏閣の重要文化財から一般住宅まで良質な木材を幅広く供給されています。杜を守り、水を守り、木を守るために、近隣の森林から産出される木材を生かした製材を行うとともに、一棟一棟を大切に、一本一本を大切にしてお客様に喜んでもらえるオーダーメイドの製品づくりに取り組まれています。
製材へのこだわりを教えてください。
一般的に木材問屋に向けて製品を販売する製材工場が多い中、丸栄製材所では工務店や大工さんといったお客様にダイレクトに製品を販売しています。お客様に直接納材しますので、満足していただける良材を納めるという意識を強くもって製材をしています。そのため、原木も厳選して仕入れており、丸太の性質をしっかりと見抜く目利きという部分をとても大切にしています。「自分の目で見た丸太を信じて、一本一本を大切にして、一品一品に想いをこめてつくる」このことに特にこだわりながら製材をしています。
三重県産材の特徴やヒノキの良さについて教えてください。
原木は三重県内を中心に近隣の良質な丸太の産地から仕入れていますが、三重県の木には平均的な良さがあると感じています。良く手入れされており、木味がおとなしく、素直な木が多いので、製材したときにも狂いが少なく良い製品になります。
ヒノキの良さについては、やはり光沢の美しさや香りの良さ、高級感といったものがあげられると思います。また、建築から千年以上経ったヒノキの建築物が現在でも健在であることが証明するように、耐久性が高いという部分も魅力だと思います。50~100年以上という長い期間をかけて大切に育てられたヒノキを使用した建築物であれば、長期間に渡って安心して使用することができると思います。
工場のアピールポイントや今後の抱負を教えてください。
工場のアピールポイントとしては、神社仏閣の重要文化財から一般住宅まで幅広く木材を供給しているという点があると思います。
神社仏閣の重要文化財では特殊材が用いられるため、必要とされる特殊材を安定した品質で納期までに納める必要があります。なかなか骨の折れる仕事ですが、これまでに法隆寺や春日大社、大神神社など様々な重要文化財に木材を納めさせていただき、多くの貴重な経験をさせていただきました。このような経験が一般住宅への納材においても生きており、大工さんの使い方にあった質の良い製品を供給することに役立っていると思います。今後も建築物のどの部分に使われるのかということをイメージしながら、一本一本に心をこめて、手間をかけながらお客様に喜んでいただける製品を供給していきたいと考えています。
株式会社丸栄製材所の詳細については、下記のページをご覧ください。