1 地方債とは
(1)地方債の意義(地方自治法第230条)
地方債とは、地方公共団体が財政収支の不足を補うために一会計年度を超えて長期にわたり借り入れる借入金です。
同一年度内に返済する一時借入金とは異なります。
(2)地方債の機能
- ア 財政支出と財政負担の年度間調整
地方公共団体の歳出に見合う財源は、原則として当該年度の地方税等の歳入で調達しなければなりません。
しかし、災害復旧事業や大規模な施設の建設事業を当該年度の歳入だけで負担するには限界があるため、元利償還金支払いという形で後年度に負担を平準化させることができます。 - イ 世代間の負担の公平
施設建設等の必要財源を、当該年度の住民の税だけに求めるのではなく、10年、20年にわたって使えるものであれば、10年、20年後の人まで万遍なく負担する方が公平です。
(3)地方債の発行権能
地方債を発行できるのは、都道府県、市町村といった普通地方公共団体と特別地方公共団体のうち一部事務組合、広域連合などです。