「三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例」が平成22年12月28日に施行されました。
1 制定の背景
(1)農業及び農村の役割の重要性
三重県は、山から海へと至る複雑な地勢と四季の変化に富んだ自然を有しています。本県の農業及 び農村は、このような環境に適応し、営農上の困難を克服しながら、農産物を供給するとともに、その営みを通じて、県土の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等の多面的機能を発揮してきました。また、「食」に関する意識の高まりとともに、安全・安心な農産物の安定的な供給などが求められており、農業及び農村の果たすべき役割はより重要なものとなっています。
(2)農業及び農村の差し迫った課題
農村における高齢化や過疎化等に伴って増加しつつある遊休農地等が豊かな田園景観を脅かし、本県の農村を変貌させる恐れがあります。また、農産物の価格の低迷は、農業者等の生産意欲の減退を招き、農産物の供給が不安定になることが懸念されます。こうした見過ごすことができない状況に対処するために、農業及び農村の一層の活性化を図ることが差し迫った課題となっています。
(3)県民の多様化する期待にこたえる活力ある農業及び農村の構築
県民がゆとりと豊かさを実感できる生活を営む上では、本県の農業及び農村が、①持続可能な農業構造を確立し、②安全・安心な農産物を安定的に供給し、③多面的機能を適切かつ十分に発揮し、④県民の多様化する期待にこたえる新たな価値を創出するための商品の開発、需要の開拓等に取り組んでいくことが必要です。
こうしたことを踏まえ、地域の多様な主体が協働して、農業及び農村の様々な資源を地域の特性を生かして活用することによりその活性化を推進し、県民の多様化する期待にこたえる活力ある農業及び農村を構築することが求められています。
2 制定の目的
食を担う農業及び農村の活性化に関する施策等について、基本理念やその実現を図るために基本となる事項を定めるとともに、県の責務、農業者等の役割などを明らかにすることによって、食を担う農業及び農村の活性化に関する施策等を総合的・計画的に推進し、県民生活の安定向上と地域経済の健全な発展を図るために本条例を制定しました。
三重県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例(PDF:38.0KB)