玉木氏事例紹介 要旨
数年前に、当時村営で経営していた宿泊施設を担当になり、その施設から地域への活性化に取り組んだ事例について少しお話させていただきたいと思います。
(専門家のアドバイスで体験プログラムを作る)
13年度頃から、体験イベントの集客メニューを作っていきました。当時県でやっていた地域おこしマイスターという制度を活用して、マイスターの方に相談に行きながら作っていきました。大内山の捉えどころのない自然を、食の世界から表現するような体験にして行きなさいというようなアドバイスを受けました。システム化されたプログラムにするには、色々と苦労がありましたけれども、年間で、350人程の集客だったのが、パンフレットを作るようになり、15年度、16年度は、年間で1,300人を超える様になりました。
(地域の方を巻き込む)
団体客の対応については、野菜農家、酪農家、山に詳しい地域の方々にお願いしながら、除々に進めていきました。宿泊定員も少なく、地域の方も無理なく対応していただける結果となりました。
(本物の交流がファンを生み、新しい展開へ導いた)
本物の交流というものが出来たからこそ、ファンともいえるような顧客の方が出来たのではないかと思います。中には直接農家の方と、野菜の取引をする方とか実際に自分で遊休農地を借りて野菜を作る方というのが少しですけども出て来ております。行政的な言い方をすると、都市と農山村との交流というのが、少しではありますが、実践できたのかなと思っております。
(グループが誕生)
地域の方の中から、自らで遊休農地を利用して、野菜作りやそば作りなんかを始めるグループが出来てまいりました。自分達で、イベントをしながら、小さな交流を行うという地域も出てきました。
(地元学との出会い)
丁度それと同じくして、熊本県で地元学に出会うことになりました。先程のグループの地区に入って実践しました。今までずっと大内山村で暮らしてきたわけですけども、住んでいても知らなかった地域の事がすごくわかることになりまして、そして、そこで暮らす人々の生活の知恵や技術なんかが、農山村を維持してきた仕組みであることに気づきました。
(行政として出来る事は)
足元にあるものを探すこと、探して組み合わせること。自分達の住む所がどんな所か説明すること。そこに暮らす人に誇りを持たせるために外の人と繋がること。行政として、出来る事はそれらのことをサポートすることなのかなと思いました。
ほんとにそこまで、役場の人間が入り込んでいく必要があるのかという考えもあるけれど、そこまで、入らなければ、本当の意味で、地域に何が必要であるとかは見えてこないのかなと。ほとんどの市町村ではこういうことを仕事として、やっている所は少ないと思います。なかなか好きでないと出来ないと思います。
(元気な地域をいかに伸ばしていくか)
行政では、地域の格差を直し平等な取り組みにすべてをしてしまいがちですけれど、こういう地域おこしとか、村づくりと言うような取り組みに関して言えば、元気な地域をいかに伸ばしていくかが重要ではないかなと思います。