西出氏事例紹介 要旨
宮川村の時に、地域活性化、地域づくりということで、宮川村のある集落を任されて現場に足を運びました。無人販売所などが整備されて、人は来ていましたが、その他に何がいるのか、ということの具体的な策も見いだせずにおりました。
(行政主導型の取り組みが裏目となる)
荒れていく農地をなんとかしようと、行政側の主導で、いろいろ作物を植えましたが長続きはしませんでした。そばの作付けと同時に、打ち手の育成ということで視察等に行きましたけれど、これも行政主導で、従来からやってみえた方の反感を招いた用で、すべてが裏目と出てくるような地域づくりになっていました。
(交流による気付きが次の展開を生んだ)
ふるさと保全パートナーという事業がありまして、その中でパートナーとして、お越し頂いた方が、「こういった地域は俗化せず観光地化せず、ほんとに好きな人が来るような地域であればいいのではないかな」というようなことを言っていただける方々もみえ、私や地域の人の考えを改めさせていただける様な思いでした。交流が非常に大事だということもその時わかりました。
(みんなで活動拠点施設を作った)
活動拠点施設をみんなで作ろうということになりました。36人が固まってある施設を作ったということで、初めて、行政からの投げかけではなく、自分達の発案のもと、木の抜倒から搬出、製材をし、棟梁を一人置いて、あとは建築にもすべて携わるということで、大きな結束力、自信が生まれたようです。その施設は、地域のコミュニティを大事にしよう、交流も大事にしようという二本の目的を持っています。
(地元学を学ぶ)
地域づくりとか地域活性化を担当すると、やはり人が沢山来たとか物が売れたとか、そういったことが成果であるかなと思ったのですが、そんなアィデアを飛ばせる人間でもなく、その時は非常に疲れました。地元学を学び気づきがありました。私はその手法でとりあえず、地域に入りたいな、という考えになりました。
(地域が抱える問題を探す)
中山間地域が抱える問題は少子過疎高齢化ですよと、一括りにされている様に思いますが、実際現場に入るとそうではないとわかります。問題を明確にするために、地域と話しました。集落が選んだ問題というのは、我々地域の住民が寄る場所がないということ。そういった考えが活動拠点に反映されていのではないかと思います。
(個性を把握する)
問題が分かってくると、地域がこうして動いた方がいいのではないかと形が見えてくる。その中で、グリーンツーリズム、とか、民泊とか、言葉で入ってしまうと、どうしてもその枠から抜けようとしないし、それを目標にするとそれ以上の展開が見えないし、そこからはみ出した様な活動にもなんらかの弊害が出ているような気もしていました。地域の個性を、住んでいる人が説明できないと、どうしてもないものねだりになってきます。ですので、地元学という手法を用いてこの地域には、こんなのがありますね、ということをやっていった。
(地域づくりにおいて行政のあり方は)
行政は常に黒子に徹したい。地域が何か考えが出てきた時は、それならこんな事があるとか情報を・氓オたい。また金銭的にもし、事業があるならそれを放り込んでもいいのではないかな、あるものは使えばいいんじゃないかな、という思いです。
(不平等な地域振興があってもいい)
平等でいったら頑張っているところが頓挫してしまって落ち込んでいくような気がしますので、そういった不平等な地域振興があってもいいのではないかなと思っております。
(地域を好きになる)
地域を好きになるということが大前提になって、それで、地域に入って一緒に物事を考えられるのではないかなというふうに思っております。