平成15年度当初予算の概要について
1.予算編成にあたっての基本的な考え方
教育委員会が主担部の施策は、「学校教育の充実」「スポーツの振興」「文化的資産の継承と活用」「生涯学習の推進」の4本です。いずれの施策においても多くの課題はありますが、特に優先度の高い喫緊の課題に対応した予算編成に取り組みました。
「学校教育の充実」については、
- きめ細かくいきとどいた指導を推進するための少人数教育の推進
- 校内暴力、いじめなどに対応する生徒指導対策
- 高校生の厳しい就職状況に対応するための対策 などを重点としています。
「スポーツの振興」については、総合型地域スポーツクラブの育成などにより、誰もが参加できるスポーツ環境づくりや競技力の向上を重点としています。
「文化的資産の継承と活用」については「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録に向けた取組、「生涯学習の推進」については生涯学習ネットワークや情報提供システムの充実などを重点として取り組みます。
このような考え方で「三重のくにづくり宣言」第二次実施計画の施策展開の重点分野である8つの課題のうち「21世紀をささえる人づくりと科学技術の振興」などに積極的に取り組みます。
2.一般会計と教育費
平成15年度の県の一般会計当初予算額は、7,048億9,052万7千円で、このうち教育費は、教育委員会所管の予算額が1,797億4,241万4千円、生活部所管の私学関係予算が72億823万7千円で、合計1,869億5,065万1千円となっています。一般会計当初予算に占める教育費の割合は、26.5%で、前年度より1.3%の増となっています。
また、14年度当初予算との対比においては、一般会計当初予算総額が7.6%の減に対し、教育費は2.8%の減となっています。
3.教育委員会関係予算
教育委員会所管の予算額は、1,797億4,241万4千円で前年度比2.8%(52億3,911万2千円)の減となっています。内訳としては、人件費が1,639億6,157万6千円で全体の91.2%を占め、前年度比2.0%(33億3,709万4千円)の減となっています。これは、給与改定などによるものです。
投資的経費は、58億8,025万1千円で、前年度比16.9%(11億9,166万5千円)の減となっています。この主な理由は県営総合競技場大型映像システム設置工事の終了や学校建築費関係で国の経済対策の一環として15年度当初予算から 14年度2月補正予算に前倒しをしたことなどによります。
また、その他経費(物件費、維持補修費、扶助費、補助費等ほか)は、99億58万7千円で、前年度比6.7%(7億1,035万3千円)の減となっています。これは、教育委員会に配分された経費の中で事業の見直しなどを行ったことによるものです。
3.主な事業
(1)(一部新)みえ少人数教育推進事業 予算額 570,949千円
(1) 30人学級の実施 予算額 233,800千円
小学校1年生で30人を基準とした学級編制(ただし、下限を25人とする。)を実施し、児童と担任とのかかわりを増やすなど、きめ細かな教育を推進し、児童一人ひとりが基本的な生活習慣や 社会的規範を身につけ、基礎・基本の学力の定着を図ります。(説明図)
(2) きめ細かくいきとどいた学校教育を支援する教員配置改善事業 予算額 337,149千円
児童生徒一人ひとりの実態や各学校の課題に対応したきめ細かな教育を支援するため、必要な人員を配置します。
(3) 指導方法の工夫改善を支援する非常勤講師配置 予算額 216,455千円
(2)(新)キャリア教育総合推進事業 予算額 25,000千円
高校生の厳しい就職状況に対応するため、生徒に働くことの大切さや社会人としての心構え(望ましい職業観・勤労観)を身につけさせるなどのキャリア教育を推進するとともに、進路指導担当教員の指導力向上を図ります。〔生活部の新価値創造予算(緊急雇用対策パッケージ事業「若年者対策事業」)の一部〕(説明図)
(3)(新)生徒指導対策事業(「生きる力」を育む支援事業の一部) 予算額 20,200千円
校内暴力・いじめ等の防止、解決に向けて、学校・家庭・地域が一体となって活動できる体制の整備や、生徒指導の核となる教員の養成などに取り組み、喫緊の課題である楽しく安心して学べる学校づくりを進めます。(説明図)
(4)(新)教員の指導力向上事業(「生きる力」を育む支援事業の一部) 予算額 45,000千円
教職員の指導力の向上を図るため、学校を離れず研修可能な時間にIT(ブロードバンドネットワーク)を利用して研修講座等をビデオオンデマンドで受講し、各教科の指導力の向上や今日的教育課題に対応します。(説明図)
指導力が不足している教員に対し、指導力向上支援審査委員会の判定に基づき、指導力の向上を支援する研修を実施するなど適切な対応策を講じます。(説明図)
(5)熊野古道世界遺産登録推進事業 予算額 20,945千円
熊野古道を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」を、和歌山・奈良両県と協働して、世界遺産登録(平成16年6月)を行うための事前調査であるイコモス(世界遺産の調査機関)の現地調査に的確に対応します。(説明図)
(6)総・㈹^地域スポーツクラブ育成事業 予算額 114,066千円
県民の多様なスポーツニーズに対応できるように、総合型地域スポーツクラブのクラブマネージャー(経営能力を有する人材)の養成等を行い、誰もが参加できる総合型地域スポーツクラブの育成を目指します。また、ジュニア期からの一貫指導システムを完成させるとともに、競技力の高い選手の育成と不足している指導者を養成します。(説明図)
4.事業の見直し
平成15年度当初予算編成にあたっては、全事業にわたって徹底的な見直しを行い、優先度の低い事業の休・廃止、より効率的・効果的に成果を達成するための事業の統合・リフォーム、さらには、全般にわたって経費の節減を図りました。
廃止事業 | 10本 | △ 35,849千円 |
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休止事業 | 2本 | △ 13,974千円 |
リフォーム事業 | 30本 | △ 175,134千円 |