三重県海岸保全施設耐震点検（平成16年度）

三重県海岸保全施設等の耐震点検について

策定背景

平成７年に発生した阪神・淡路大震災を受け、高潮・津波等を第一線で防護する海岸保全施設の耐震性の確保が求められるようになり、この結果、耐震性を合理的に評価し、海岸保全施設の耐震対策に資することを目的として、平成７年度に海岸省庁において「海岸保全施設耐震点検マニュアル」が策定されました。
当県では、平成７年度以降順次施設の耐震点検を実施してきましたが、昭和２８年の台風１３号や昭和３４年の伊勢湾台風以後に築造された施設が大部分であり、築後４０年以上経っていることから施設の詳細構造が不明であったり、また、海岸部における地質調査資料が不足していたことから、県内全域の点検には至りませんでした。
このため、これまで点検に至らなかった地区海岸も含め、平成１６年度には海岸台帳等の施設資料や災害復興書により、また、既存の地質調査資料や周辺の地質調査資料を参考に、港湾局及び河川局所管海岸の全地区海岸についてマニュアルに基づく簡易な耐震点検を実施いたしました。

公表目的

当県では、東海地震は特に切迫性が指摘されているほか、東南海・南海地震についても今世紀前半での発生が危惧されています。
また、平成１６年９月５日には紀伊半島沖地震が発生したことにより、県中部では震度５弱を記録し、熊野灘沿岸では津波警報が発令されました。さらに、平成１６年１２月２６日にはスマトラ沖地震による地震・津波により多大な被害が生じました。
このような状況の中、海岸保全施設等の耐震性への関心が一段と高くなり、多数の問い合わせを頂くようになったことなどから、地震津波に関する啓発資料として、また、津波等のハザードマップ作成を支援するなど、幅広く情報を提供し、ハード・ソフト対策に資することを目的として施設の耐震点検結果を公表いたします。

点検概要

耐震点検は、「海岸保全施設耐震点検マニュアル」（平成７年４月）に基づき、詳細検討の必要な施設及び区間を抽出することを目的として、液状化判定を含む簡易的な耐震点検を実施しました。
対象施設、点検条件等は、以下のとおりです。

今回の簡易な耐震点検は、東海・東南海・南海地震のような巨大地震（数百年に１回発生する地震）を想定したものではありませんので、巨大地震に対しては当点検結果において危険度が低いと評価された施設についても十分な注意が必要です。

今後の方針

当耐震点検結果は、詳細な検討を要する施設及び区間を抽出することを目的としたものであることから、今後、この耐震点検結果や津波シミュレーション結果等を踏まえ、施設整備を行うことにより早期に効果が得られると想定される地区海岸については、優先して詳細調査及び施設整備を進めてまいります。
　なお、当耐震点検結果については、今後も継続して新たな情報を収集し、点検結果の見直しを行うべき箇所等については随時公表資料の更新を行うとともに、施設整備については、必要に応じて海岸保全基本計画の変更等を行い、実施に向けた整理を行います。
　しかしながら、想定される東海・東南海・南海地震により発生する地震津波を全て施設整備等のハード対策で防御するには限界があります。また、これら巨大地震における地震津波対策としての施設整備には多額の費用と時間を要します。
　このため、被害軽減を図るために最も有効的かつ即効性のある対策を実施することとし、各市町村、関係機関等と協働して、施設整備等のハード対策と円滑な避難が可能となる避難路整備や情報提供及び伝達等のソフト対策を組み合わせた総合的な対策を進めてまいります。

海岸保全施設等耐震点検結果(堤体の危険度判定)

各海岸の点検結果は詳細表示をクリックして各資料(ＰＤＦファイル）をダウンロードして下さい。
（注意：容量の大きい資料もありますので、ダウンロードに多少時間が要する場合があります、ご了承ください。）