インドネシアの紹介(北スマトラ州における生態系保全の取組の一例)】
北スマトラ州から隣のアチェ州にまたがる形で「グヌン・レウセル国立公園」があります。国立公園の敷地は川などで囲まれ、人の出入口は鍵がかかる扉で施錠されているところもあります。野生動植物の保護が目的ですが、観光 客がツアーガイドとともに敷地内に入ることができ、動植物を身近に見ることができます。なお、ツアー代金は環境保全活動に充てられるとのことです。私の配属先の中に森林管理の部署があり、職員数 594 人のうち352 人の職員が当該部署で勤務しています。森林警察(パトロール)などの業務があり、イ ンドネシア国内で森林伐採が問題視されていることが窺えます。
野生のオランウータン (近づくと逃げてしまうので、少し離れて撮影しています) オランウータンはインドネシア語で orang hutan(「林の人間」という意味) と言い、名前の語源になっています。 |
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野生ではありませんが、国立公園内で森林パトロールなどの活動に従事しているスマトラ象人が登る細い山道も、大きな体で器用に昇り降りできます(子象は慣れていないので時々滑ります)。 上記の象が生活している国立公園 の入り口エリアは、かつては熱帯林で覆われていたが、森林伐採により失われてしまい、その後に成長した森林とのこと。野生の象は奥の熱帯林エリアで生活しており、人里に出てくることもあるとのことです。 |
JICA 海外協力隊(環境教育)としての活動
前回報告における小・中学校への活動提案の後、小学校からリアクションはありませんでしたが、中学校から依頼があり、中学校の環境クラブ活動の中でごみ授業を実施しまし た。前回の小学校授業では人数が多すぎたためアンケートを実施することができませんでしたが、一クラス弱の21人規模であったことから、アンケートを実施することができました。 |
アンケート記入時間は5分間の予定でしたが、20 分ほどかけて隊員への 質問や将来への決意などを記入してくれました。 |
主なアンケート内容(自由記述) 質問:日本ではポイ捨てに刑罰があるか、日本ではいつからリサイクルを始めたのか、分解に時 間がかかるごみがあるのはなぜか など 決意:ポイ捨てをしない(14/21 人)、リデュース(13 人) など |
アンケート結果により、生徒が概ね授業内容を理解できると判断し、教材作成に向けた関係機関への接触を開始しました。まず、教材完成後に教材の監修 を担うことができる機関として、「過去に JICA事業で日本の大学と環境教育教材を作成した経験がある大学」の職員に接触し、「環境教育教材を研究している教授あるいは講師」の紹介を依頼しました。今後、大学から教授(講師)の紹介を受け、大学が監修を担えることが確認でき次第、州教育局や市教育局に環境教育教材の作成可否について相談に行く予定です。
また、上記の中学校では、学校内でごみ分別(分別後はごみ銀行でリ サイクル)に取り組むこととし、環境クラブの部員と一緒に「分別ごみ箱」を作成し、部員が実際にごみ分別に挑戦しました。今後、作成した 分別ごみ箱の設置場所に「ごみ分別の方法を記載したチラシ」を掲示し、中学校全体でごみ分別に挑戦する予定です。 | ごみ箱にごみの種類とイラストを 貼り付け、ガムテープで色分け |
三重県の紹介およびPR
上記の大学とは別の大学において「日本における公害の経験」を説明する機会があり、経済学部の学生(約130 人)に四日市公害の事例を説明しました (60 分間のため概要のみ)。最初に「公害について知っているか」を尋ねたところ誰も知りませんでしたが、説明終了後の質疑では、「身近にある工場の立地問題や公害対策装置など」に関する質問のほか、「ICETT の研修は学生でも参加できるのか」といった質問がありました。ちなみに、ICETTではこれまでにジャカルタのほか、スラバヤやプロボリンゴから研修を受け入れています(テーマは排水処理など)。
<プレゼンの内容> ・(公害の説明の前に)主な三重県の伝統工芸品・食べ物・観光地を紹介しつつ、四日市市の場 所を覚えてもらう。 ・公害の定義(日本の環境基本法) ・日本四大公害の概要 ・四日市公害の紹介 公害が発生するまでの背景 公害の発生 公害について書いた作文の紹介 行政や企業の対応 住民による裁判の提訴 裁判の判決 裁判を支えた人々の紹介 裁判後の公害対策 被害を受けた住民のその後 四日市公害と環境未来館の紹介 ICETT(公益財団法人国際環境技術移転センター)の紹介 →三重県に観光だけでなく、研修としてもお越しください。 ・インドネシアへのメッセージ等 (例:日本の公害の経験を他国で繰り返してほしくない) |