前回に引き続き、インドネシアの様子や活動内容について報告します。
インドネシアの紹介(メダン周辺の街の様子)
前回はインドネシアの概要について紹介しました。今回は、私の配属先があるメダン市やその周辺地域の様子を紹介します。メダン市は人口規模で比較すると名古屋市と同規模です(名古屋市よりも小さい面積に名古屋市よりも多い人口)。首都のジャカルタが大都市として洗練された街になりつつあるのに比べると、メダン周辺はまだまだ途上国の雑多な街並みが残っている印象です。 | 職場の近くにある市場の様子 |
街並み | 日本では、街中でも閑散とした街並みを見る機会がありますが、メダンの街中は人で溢れています。 海外協力隊員の中に定年退職後参加されている方々がいるのですが、その方々が「(モータリゼーションの進展や通信機器の普及といった違いはあるものの)インドネシアの街並みは昔の日本を見ているみたい」と言っていました。私はそれを聞いて、「日本もかつてはこのような街並みだったのかな」と想像しながら街の雰囲気を感じています。 |
住居 | 高層マンションで生活する人がいる一方で、ごみ最終処分場の中にテントを張って生計を立てている家族もいます。 |
電気 | 停電は月に1回程度発生します(街中に信号が少なく交通整理員がいるのは、この事情も影響しているかもしれません)。 |
水道 | 水不足は感じないのですが、水圧の影響からか、職場では蛇口をひねっても水が出ない時があります。なお、インドネシアではトイレットペーパーを水と一緒に流すと詰まってしまうので禁止されています。水質は、衣類が黒ずむこともあります。 |
公共交通 | バスや鉄道はあるものの、バイクや自動車が主な移動手段です。信号無視や逆走などもあり自転車や徒歩での移動は危険なため、あまり見かけません。船は「海の博物館」に展示されているような木製が現役で活躍中です(動力はエンジンです)。 |
JICA海外協力隊(環境教育)としての活動
前回3月にごみ授業の試行を行った後、5月に小学校で初めてごみ授業を実施しました(例のごとく、実質的な活動開始が5月にずれこみました)。
授業実施に際しては、私から配属先や小学校への依頼事項として「6年生か高学年の生徒を対象とし、1クラスずつ実施したい」と伝えましたが、フタを開けてみると小学校3~6年生の約450人を対象とした授業であり、3年生にとっては少し難しい内容であるため授業の後半はカオス状態になってしまいました。そうしたカオス状態ではあったものの、救いだったのは授業の後のクイズ大会で「授業の内容を理解してくれている生徒」がいることでした。 |
授業の様子 (インドネシアの子どもたちはすごく元気です) |
こうしたインドネシアにおける仕事のスタイルを見て感じるのは、インドネシアのスタイル
は良くも悪くも「パフォーマンス型」であるということです。この日は私のごみ授業とは別に
配属先職員が気候変動に関する授業も実施したのですが、より多くの対象者に対しなるべく少
ない機会で伝えることに重きが置かれ、対象者が理解できているかは気にされていないように
感じました。
この小学校に対しては、配属先から私に「高倉式コンポスト(生ごみ堆肥化技術の一つ)の技術指導」が指示されたため、後日、シードコンポスト(生ごみを投入する発酵床)作成を先生たちの前で実演し、実際に生ごみが分解されるのを体験してもらいました。 | シードコンポストづくり実演の様子 |
今後、この小学校と隣接する中学校に対するフォローアップを予定しており、私から両学校に
「生ごみの堆肥化を含めたごみの分別・リサイクルの実践(まずは缶・びん・ペットボトルなど
少ない種類から開始)」を提案しています。現在は学校が休校(インドネシアでは6月から7月
にかけて卒業・入学の時期)なので、休校明けに活動が開始できるよう、学校と調整する
予定です。
三重県の紹介およびPR
三重県を代表するお菓子はいくつかありますが、その中の一つをインドネシアにおいても見つけることができました。個別の企業名はお伝えできないのですが、津市に本社がある企業です
(お菓子のパッケージにもTsu-cityと表記されています)。お菓子の特徴としては、インドネシ
ア人は麺(インドネシア語でmie。←Mie(三重)と綴りが同じです)と揚げ物(gorengan)が
好きな民族です。ヒントになったでしょうか?
さっそく地元のPRとして職場の同僚に差し入れてみたところ、辛い味の種類から先に無くなりま
した(インドネシアは、食事中に生の唐辛子をかじって食べるなど、辛い食べ物が主流の食文化
です。また、インドネシア人は食べるのが好きな人が多く、食べ物の差し入れはすぐに無くなり
ます)。