全国通訳案内士・安井久美氏から、3部構成のカリキュラムを通じて、英語で三重県を紹介するためのコツを学ぶことができた今回のイベントについて、当日の様子をそれぞれご紹介します。
◎講師 安井久美氏
三重県在住。ガイド歴13年の英語の全国通訳案内士。これまで数多くの外国人観光客を三重県の観光地へご案内してきた実績があり、翻訳者としても活躍されています。
第1回 通訳案内士による観光案内レクチャー
日時:令和4年8月8日(月)9:30~12:00
場所:合同ビル2階 G201会議室(津市栄町1丁目891)
参加者:グローカル学生大使12名(宇治山田商業高校、高田高校、津商業高校)
国際交流員(CIR)3名、国際展開推進員1名
概要:海女さんや忍者などの三重県の魅力を英語でわかりやすく説明するためのノウハウを、CIR・国際展
開推進員とともにグループワーク形式で楽しく学ぶ
はじめに、安井氏から自己紹介と、全国通訳案内士の仕事内容についてご説明いただきました。そのあと、少人数のチームに分かれて、三重県の魅力をまずは「日本語」で紹介することに挑戦してもらいました。
各チームは、割り当てられたお題(海女、忍者、真珠、松阪牛)についてディスカッションを行ったうえで、代表者による発表を行いました。安井氏からのフィードバックでは、「数字を使うと伝わりやすいでしょう。」「松阪牛を言うなら他の牛との違いも伝える方がいいかもしれません。」などといったアドバイスがありました。
通訳案内士の仕事を紹介する安井氏 グループワークを行っている様子
次に、同じお題について、海外の方に英語で紹介するならどうするのか、同じく発表してもらいました。それぞれにCIRまたは国際展開推進員が同席し、英訳のサポートなどを行いました。準備時間も限られており、難しいチャレンジでしたが、皆しっかりやり切りました。
各グループで発表している様子
発表後のCIRからのフィードバックでは、「みんな身振りなども交えながら笑顔で発表していて素晴らしかったです。」「名前など固有名詞を言うときは、ネイティブは聞き取れないことが多いのでゆっくり言うと良いですね。」という意見がありました。
最後に、安井氏から、ご自身であればどう紹介するのか、いくつか例を紹介していただきました。学生大使は熱心に聞き入っていました。
開催後、参加者からは、「説明するときに数字や相手の背景知識に合わせて説明するというのが印象に残りました。」「曖昧にしか捉えていなかった三重県の文化についてあらためて知ることができました。」といった感想が寄せられました。
第2回 通訳案内士による伊勢神宮案内ツアー
日時:令和4年10月8日(土)13:30~15:30
場所:伊勢神宮 内宮
参加者:グローカル学生大使14名(宇治山田商業高校、津商業高校)、CIR1名、国際展開推進員1名
概要:通訳案内士による英語での伊勢神宮案内ツアーを体験し知識を深めることで、今後学生大使が自信を
もって伊勢神宮を紹介できるようになることを目指す
全国通訳案内士の安井氏に、伊勢神宮の内宮を案内していただきました。インバウンドのお客様を案内する時と同じようなツアーを体験することで、英語での表現方法や、どのような点に気をつけて案内されているのか等を学びました。ツアー終了後は、おかげ横丁で交流会を実施し、ネイティブも交えて感想などを話しました。
参加者からは、「地元なのに、伊勢神宮に対する知識があまりなかったので、今回たくさんの事を学ぶことができて良かったです。」「英語で説明を受けたことで、こういうことを言いたい場合はこう表現する、ということを学ぶことができ、とても参考になりました。」という感想が寄せられました。
大鳥居前での集合写真 安井氏による内宮案内ツアーの様子
第3回 英語で伊勢神宮を紹介する動画のフィードバック&座談会
日時:令和4年12月14日(水)16:00~17:30
開催方法:オンライン形式
参加者: グローカル学生大使13名(宇治山田商業高校、津商業高校)、国際展開推進員1名
概要: 2回目の伊勢神宮案内ツアーに参加した学生大使に、5分程度の「伊勢神宮を英語で紹介する動画」を
作成してもらい、安井氏と国際展開推進員からフィードバックを行う
今回は、事前に提出してもらった計5本の動画を参加者全員で1本ずつ見て、安井氏と国際展開推進員からフィードバックをいただくという流れで進めていきました。
学生大使たちは、内宮の宇治橋や式年遷宮などについて、写真を貼り付けたスライドに、英語の音声を吹き込むなどの工夫を行って動画を制作しました。どの動画も、第2回の伊勢神宮案内ツアーで学んだことを取り入れており、充実した内容となっていました。
動画の一部(宇治山田商業高校の学生大使が作成した動画より抜粋)
動画鑑賞後、安井氏からは、全国通訳案内士としての視点からたくさんのアドバイスをいただきました。例えば、お祈りについて、“You should know how to worship there.(ここでのお祈りの仕方を知っておくべきです)”と紹介していたチームへは、
「色々な宗教や信条の方もいるので、その言い方だと少し強く聞こえるかもしれません。例えば、"Please feel free to pray with me. (よろしければ私と一緒にご参拝ください)"というような柔らかな表現にするとお客様に受け入れていただきやすくなります。」
というアドバイスがありました。
また、英語のネイティブスピーカーである国際展開推進員からは、発音や話し方等について具体的なアドバイスがあり、参加者は熱心にメモをとっていました。
紹介の仕方についてアドバイスする安井氏 発音についてアドバイスする国際展開推進員
まとめとして、安井氏から「通訳案内士は、歴史の先生ではなく、エンターテイナーになって案内をしなくてはいけない。参加した人を楽しませられるように心がけましょう!」というメッセージをいただきました。
オンラインでの開催でしたが、参加者とコミュニケーションを取りながら和気あいあいと進められたイベントでした。参加者からは、「他のグループのアドバイスも聞けたので、参考になる情報がたくさん得られました。」「プロの視点から見る表現方法ななど、細かい部分までアドバイスを頂けてとても貴重な体験でした。」といった感想が寄せられました。
和やかなオンラインイベントの様子
計3回のレクチャーを通じて、みえグローカル学生大使は三重県を英語で紹介する際の知識を多く蓄えられました。今後も、県はみえグローカル学生大使の活動を支援し、学んだことをアウトプットできるような機会を提供していく予定です。