テーマ:『へき地を学ぶ、へき地に学ぶ』
平成28年8月27日(土)~28(日)
大台町で、医療関係者・地域住民を対象とした
へき地医療研修会を開催しました!
参加者:95名
医学生、医師、看護師、コメディカル、高校生など
へき地医療に興味のある方、へき地医療を支えている皆様にご参加いただきました。
1日目
開会の挨拶
研修会の冒頭に、松田 (三重県医療対策局長)、尾上様(大台町長)よりご挨拶をいただきました。
体験実習報告会 『へき地を感じる』
研修会に先駆け、県内各施設で8月24日(水)~8月27日(土)に行われた「へき地医療体験実習」の実習報告会を行いました。各グループ総勢15名の医学生がへき地の現場で「見て・聞いて・感じた」ことを発表しました。
◆感想(アンケートより)
・へき地での実際を体験して感じたことや考えたことを、これからの糧にしてほしい。
・各々地域医療に対して真剣に考えている姿勢を感じられた。人とのつながりが医療の基本であることを忘れない体験を、ほかの新人に伝えていくことが大切だと思った。
特別講演
『地域医療はおもしろい!!”へき地医療にはまっちゃった”~地域包括ケアからまちづくりへ 地域全体で支え育てる地域医療~』講師 佐藤 勝 氏(岡山大学大学院医師薬学研究科地域医療人材育成学講座 教授・哲西町診療所 所長)
島根県出身で自治医科大学を卒業された佐藤先生の、隠岐の島での地域医療の経験から、現在の岡山県哲西町での地域との関わり方にについて、エネルギッシュなご講演をしていただきました。
無医町だった哲西町にやってきて、保健・医療・福祉の充実と一体化を目標に、子供の教育、母子クラブ活動にまで積極的に参加される佐藤先生。専門外の相談に対しては、「とりあえず診る!わからなければわかる人にまで繋いであげて、その人が路頭に迷うことがないようにしてあげることくらいはできる」と、夜間の妊婦や子供の相談にも笑顔で対応してくれる。そんな哲西町には「たらい回し」という言葉は存在しないのだと感じました。
そんな佐藤先生の、医師不足への対策案は、地域の「医療スタッフ」、「行政」だけではなく、「住民」も一緒に医師を「支え」・「守り」・「育てる」こと。住民も巻き込んで作り上げる哲西町の「地域医療」は、とても魅力的に感じました。
佐藤先生、素晴らしいご講演ありがとうございました。
◆感想(アンケートより)
・地域医療は行政・医師だけでなく「住民」も一緒に支えるものであるという考えに感心した。住民も巻き込むために何をするべきか考えたいと思った。(学生)
・子供への教育、住民の行動変容、福祉の問題(制度の周知)などの医療・医学を学ぶだけでは関われない内容が含まれていた。(医師)
・正直に住民と向き合う先生の姿がステキだった。(看護師)
交流会&表彰式
研修会1日目終了後、奥伊勢フォレストピアにて交流会を行いました。へき地医療を支える関係者が集まり、情報交換を行いました。
研修会参加者の投票で決定した、体験実習報告会の優秀グループの表彰式を行いました。
1位 紀南病院グループ
・初めて実習に参加したが学生のリフレッシュな切り口から紀南について突き詰めていったのがおもしろかった。
・提供されるスケジュールにのるだけでなく、能動的に調査を行ったところがよい。
2位 町立南伊勢病院グループ
・「地域を感じる」というテーマにぴったりの体験ができていた。
2位 尾鷲総合病院グループ
・短い期間でへき地医療の課題や対策を考えていただいてとてもよかった。楽しかったこと、体験談だけではなく、考えさせられる発表だった。
惜しくも賞を逃しましたが、他のグループの発表も非常に魅力的でした。ぜひ来年は最優秀賞を狙って頑張っていただきたいと思います。
2日目
World Café『へき地を想う』
研修会2日目にはへき地医療を支える皆様にもご参加いただき、ワールド・カフェを行いました。参加者全員で「へき地で医療をするために」というテーマでそれぞれの立場から意見を出し合いました。
※ワールド・カフェ:グループで行う話し合いの手法
◆感想(アンケートより)
・自分の置かれている環境、今後の展望を話し合うことができた。(学生)
・話しているうちにテーマからすこし外れてしまうのも、よい効果が生まれますね。(医師)
・「へき地での医療」について考える機会がなかなかない中で、いい経験だった。
ご講演いただきました講師、座長の皆様、並びにご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。
また、準備から開催までご協力いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。
来年度も是非ご参加ください。