テーマ:『へき地を学ぶ、へき地に学ぶ』
平成27年8月22日(土)~23(日)
大台町で、医療関係者・地域住民を対象とした
へき地医療研修会を開催しました!
参加者:1日目 75名、 2日目 63名
医学生、医師、看護師、コメディカル、行政、地域住民の方など
へき地医療を支えている皆様にご参加いただきました。
1日目
開会の挨拶
研修会の冒頭に、佐々木 三重県医療対策局長、尾上 大台町長よりご挨拶をいただきました。
体験実習報告会 『医療の極意は、へき地にあり!』
研修会に先がけ県内各地で8月19日~8月22日に行われた「へき地医療体験実習」の実習報告会を行いました。各グループ総勢21名の医学生がへき地の現場で「見て・聞いて・感じた」ことを発表しました。
◆感想(アンケートより)
・他班との比較から反省点が見え、また来たいと思えるきっかけとなった。(学生)
・どこの地域においても大切なことは変わらないということを、再認識した。(医師)
World Café 『へき地においないさ』
へき地医療を支える皆様にもご参加いただき、ワールド・カフェを行いました。来場者全員でお茶をしながら、「へき地に来てもらうには?」をテーマに語りあいました。
※ ワールドカフェ:グループで行う話し合いの手法。
◆感想(アンケートより)
・へき地に対するイメージは、出身や住んでいる地によって違う。へき地にどんな悩みがあり、どんな人・物を求めているのかを、自分が分かっていないと実感した。今後の学びへ繋げたい。(学生)
・自分の意見が凝り固まっていることに気付けました。(医師)
・いろいろな意見が出て楽しかったが、やっぱりへき地に人を呼び込むのは難しい。その地域の人はそれなりに、たくましく生活している。(看護師・保健師)
交流会&表彰式
研修会1日目終了後、奥伊勢フォレストピアにて交流会を行いました。へき地医療を支える関係者が集まり、情報交換を行いました。
研修会参加者の投票で決定した、体験実習報告会の優秀グループの表彰式を行いました。
1位 紀南病院グループ
・低学年の学生さんは率直な感想を発表していて良かった。 4年生は様々なことを経験し、今後の事について改めて考える機会となったということで、非常に興味深かった。
2位 南伊勢病院グループ
・医師と患者の関係が、親戚のようだという言葉が印象に残りました。
・デマンドバス(町独自の政策)や防災訓練(地域課題)、褥瘡(じょくそう)委員会など、南伊勢の地域性の見える実習であると思います。「地域」に視点をおいた実習と発表でした。
3位 桃取診療所グループ
・「診られない」なんて言えない!もっと勉強しようという気持ちになった。
・コミュニケーション力の大切さ。好かれる医師になること。重要なキーワードが出てきました。働きだすと、ますます重くなる課題です。
惜しくも賞を逃しましたが、他のグループの発表も非常に魅力的でした。ぜひ来年は最優秀賞を狙って頑張っていただきたいと思います。
2日目
特別講演
『梼原町における地域包括ケア
~住み慣れた地域で死ねてよかったといわれる町づくり~』
講師 内田 望 氏 (高知県梼原町立 国民健康保険 梼原病院 院長)
梼原(ゆすはら)町は、高知県と愛媛県の県境にある高原の町。その唯一の医療機関である梼原病院には、保健福祉支援センターが併設されています。保健・医療・福祉がいつでも連携しあえる、理想の「地域包括ケア」を実現されている梼原病院から、院長の内田先生をお招きしました。
地域の方々に信頼され、「よかった」と言われるために。内田先生は、病院スタッフとともに頻繁に町内各地へ出向き、町民との座談会を開催されているそうです。
また「地域包括ケア」を考えるということは、「どのように生きたいか」、「どのように死にたいか」を考えること。内田先生が力を入れておられる death education(死の準備教育)についても、教えていただきました。
内田先生、素晴らしいご講演、ありがとうございました。
◆感想(アンケートより)
・“死について考える”ことが、人を成長させるのかなと思いました。(学生)
・これから医師としての死の考えと、一個人としての死の考えを、自分なりに見出していこう。(学生)
・良かったと言われる町にしていきたいと強く思った。やはり住民さんとの協力が大切。(看護師・保健師)
・涙が止まりません。(住民)
・その人その人が持って生まれた寿命、生命の期限を全うした時、自分の好きな場所で「さよなら。ありがとうー!!」と帰って行けたらいいですね。(住民)
皆さん、ご参加ありがとうございました。