東海三県(岐阜、愛知、三重)のへき地医療関係者が集まり、研究会を行いました!
日時:平成28年2月27日(土)13:30~17:00
会場:三重県津庁舎 6階 大会議室
参加者:45名
研究会の様子
開会の挨拶 13:30~
挨拶: 佐々木 孝治(三重県健康福祉部医療対策局 局長) |
第1部:各県からの発表 13:40~
座長: 松久 雄紀 氏(岐阜県へき地医療支援機構 専任担当官) 中山 みどり 氏(愛知県へき地医療支援機構 専任担当官) |
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『1人で越えられなかった継続性という壁』 伊左次 悟 氏 (県北西部地域医療センター 白川村国保白川診療所・平瀬診療所) 発表者の伊左次先生は、一人体制の診療所に10年間勤務されました。11年目となる平成27年4月より、診療所は「県北西部地域医療センター」に組み込まれ、伊左次先生もその一員として同診療所を支えておられます。 一人体制の診療所では、医師が勤務し続ける上でも、また交代を考えるにあたっても様々な課題がありましたが、センター化以後、その多くが解消されたとのこと。 へき地医療の継続性を「医師一人体制の中での個人の努力」で保障することは不可能であり、「広域でへき地医療を支える新しい仕組み」が必要であると、先生のご経験をもとにご発表いただきました。 |
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『高齢者を対象とした 参加型演劇ワークショップ開催からの学び』 岡崎 研太郎 氏 (名古屋大学大学院医学系研究科地域総合ヘルスケアシステム開発講座、 中津川市国保川上診療所) 名古屋大学総合診療科と岐阜県中津川市との官学連携事業「中津川プロジェクト」からのご報告です。同プロジェクトでは、地域包括ケアシステム構築と医療従事者育成を柱に、地域医療活性化のモデルづくりを目指しています。 平成26年、中津川市川上地区のデイサービスセンターで、通所者を対象に演劇ワークショップを実施しました。60代~90台の高齢者13人と、医療従事者、施設職員、医学部・看護学部の学生・教員、市職員らがプロの演劇人の指導下で練習し、観客を招いての発表会を行いました。 当初は消極的であった参加者からも、回を重ねるごとに前向きな発言が聞かれるようになり、参加型演劇ワークショップには高齢者の力を引き出す可能性があると思われました。運営スタッフにとっては、医療現場を離れてフラットな関係性を構築する場となり、また学生にとっては病院外での高齢者の姿を発見するとともに、自然な形で多職種連携を体験する機会となりました。 |
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『当院における地域包括ケアの取り組み ~動脈硬化スクリーニングパスの導入~』 中川 十夢 氏(町立南伊勢病院 内科) 町立南伊勢病院では、公共交通機関の関係で高齢者の外来受診の大半が午前中に集中する傾向にあります。このため平成27年8月から、午後の外来・検査部門を活用し、動脈硬化スクリーニングパスを導入しました。 かかりつけ患者への呼びかけに加え、病院広報誌や町内各地での健康教室、イベントにて広報活動を行い、現在、月10名程度の患者にパスを運用しています。 スクリーニングの結果、基礎疾患のコントロールが比較的良好な患者においても高率に頸動脈プラーク等の所見を認め、動脈硬化疾患の早期発見・治療へとつなげることができました。 今後さらに受診者が増加すれば、地域住民のデータベースとしても活用していきたい、とのことでした。 |
フロアからも多くのご質問、ご意見をいただきました。
第二部:ワールドカフェ『元気活動!みなさんといっしょ』 14:50~
ファシリテーター: 瀬口 優 氏(伊勢赤十字病院 脳血管内治療科) 導入講演 『地域住民とともに行う啓発活動 ~元気活動!みなさんといっしょ~』 小泉 圭吾 氏(鳥羽市立神島診療所 所長) 厚生労働省は、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進しています。少子高齢化社会にあっては税による「公助」、介護保険等による「共助」の拡充は難しく、今後は「自助」「互助」の果たす役割が大きくなると予想されます。特にへき地とされる地域では民間サービスが限定的であることから、「互助」の役割が重要となります。 |
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地域包括ケアシステムは地域の特性に応じて作り上げていく必要があり、自治体と地域住民とが一体となって進めていくことが重要です。 地域住民が自分らしい暮らしを続けられる地域とは?・・・目指すべきビジョンを描き、そこに到達するために必要な道すじやピースを見つけ、実践していこう! 小泉先生の神島での取り組みや、岐阜・愛知・三重の各地での事例も交えながら、ご説明いただきました。 |
3~4人ずつのグループに分かれ、お茶と三重県銘菓を楽しみながら、ざっくばらんに意見交換しました。
キーワードは「元気活動!私ならこうする」
現在取り組んでいる活動を紹介したり、抱えている課題を打ち明け、助言し合い、また答えの出ないトンネルに皆で悩んだり・・・。
このワールドカフェを通して、何か、ほんの少しでも、皆様に収穫がありましたら幸いです。
ワールドカフェ総括: 宮﨑 光一 氏(町立南伊勢病院 院長) |
閉会の挨拶
挨拶: 奥野 正孝(三重県健康福祉部医療対策局 へき地医療総括監) |
皆様、ご参加ありがとうございました!