農業
温暖な気候や中京・阪神の大消費地に隣接した立地など、恵まれた条件のもと、耕地の76%を占める水田が基幹であり、主食用の米を中心として、麦、大豆等が栽培されています。また、北勢・南勢地域では茶、紀南地域では柑橘類が重要な作物となっています。生産額の多くを占める畜産業では、県が創設した三重ブランド認定品である松阪牛、伊賀牛、熊野地鶏をはじめとする地域の特性を生かした畜産物が育てられています。匠の技と地域の特性を生かした農畜産物の数々は、国内外で高く評価されています。
大規模な法人経営体のみならず、これまで地域農業を担ってきた家族農業などの継続・発展を図るため、農業収益力を高める「産業政策」と、地域の農地を保全し多面的機能の発揮を図る「地域政策」の両輪で取組を進めています。
林業
温暖な気候と豊富な降水量に恵まれた環境のもと、県土の64%を占める森林において、スギ、ヒノキを中心とした木材生産が行われています。間伐など丁寧な施業を繰り返し生産される木材は、色・艶・香りなどに優れ、建築用の構造材や内装材等として高い評価を得ています。植栽など人の手が入っている人工林の割合が高いのが本県林業の特徴の一つです。
豊富な森林資源が利用期を迎えていることや、2050年カーボンニュートラルの実現に向け森林への期待が高まっていることから、森林資源の循環利用を推進し、林業の成長産業化や森林の持つ多面的機能を高度に発揮させる取組を進めています。
水産業
1,000km以上にも及ぶ海岸線を有し、静穏で遠浅の砂浜が広がる伊勢湾、リアス海岸の志摩半島、黒潮の影響を大きく受ける熊野灘など、豊かな漁場に恵まれ、まき網漁業などの漁船漁業のほか、伝統的な海女漁業、本県が技術発祥の地である真珠をはじめ、魚類・貝類・藻類の海面養殖業が営まれています。なかでも、全国屈指の漁獲量を誇る伊勢えびは、筆舌に尽くしがたい極上の味わいです。
本県水産業は、漁村地域の主幹産業として、全国有数の生産量を誇っており、近年では、水産資源管理に向けた広域的な連携、気候変動に対応した養殖業の技術確立などを進めています。