令和5年3月の三重県議会において「三重県公営企業の設置等に関する条例」の改正案が可決され、令和5年3月31日をもって三重県電気事業は廃止となりました。
昭和27年に事業を開始して以降、70年の長きに亘り、皆様から頂きましたご理解、ご協力に感謝を申し上げます。
電気事業は、昭和27年に電気事業許可を受け、宮川総合開発事業の一環として水力発電事業を開始しました。その後、石油代替エネルギーの確保や地球温暖化防止への寄与など、その時代時代において公営電気事業に求められた使命により10箇所の水力発電所を建設し、クリーンエネルギーの供給や地域の発展に貢献してきました。
平成19年2月に知事から「企業庁のあり方に関する基本的方向について」が示され、これに沿って水力発電事業の民間譲渡に取り組み、平成27年4月1日には、すべての水力発電所の譲渡が完了しました。
一方、平成14年12月からは、資源循環型社会の構築を図るとともに、未利用エネルギーの活用を促進するためのモデル事業として、RDF焼却・発電事業を行ってきました。
平成15年8月19日にRDF貯蔵槽爆発事故が発生し、消火活動中の消防職員お二人の尊い人命が失われました。人の命は何物にも代えがたいものであり、事故後は、「安全」を最優先とした事業運営に努めてきました。
その後、事業に参画する市町及び三重県で構成する三重県RDF運営協議会における協議を経て、令和元年9月にRDFの焼却・発電を終了しました。
令和5年3月にはRDF焼却・発電施設の撤去が完了し、これに伴い、令和5年3月をもって電気事業を廃止することとなりました。
今後、企業庁では、関係者とのパートナーシップのもと、「水道事業」および「工業用水道事業」の経営をとおして県民のくらしの安全・安心の確保及び地域経済の発展に貢献し、県民から信頼される公営企業を目指します。
そして、平成15年に発生したRDF貯蔵槽爆発事故の反省と教訓を将来にわたり継承し、安全を最優先とする取り組みを継続していきます。
社会は変革の時を迎えています。人口減少やDXの進展等、社会情勢の変化に対応し、県民のいのちに関わる「水を供給する」というサービスが継続できるよう不断の努力を行ってまいりますので、引き続き三重県企業庁に対するご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和5年3月31日
三重県企業庁長 山口 武美
関連資料
電気事業の歩み