熊野市二木島町と新鹿町(あたしかちょう)とを結ぶ峠越えの道は、二木島峠と逢神坂峠(おうがみざかとうげ)という二つの峠を越える古道です。逢神坂は、「相神坂」とも「大亀坂」あるいは「狼坂」ともいわれていた。石畳道もあり、峠には茶屋の跡もみられます。
熊野市波田須(はたす)の集落を抜け、波田須神社の前を通る道で、石畳道となっています。石畳は巨石を用いた石敷きとなっているため、その時代の古さが感じられます。
波田須と大泊を結ぶ古道は、大吹峠(おおぶきとうげ)と呼ばれる峠を越えました。この大吹峠を越える正規ルートのほかに通称「観音道」と呼ばれる脇道があり、千手観音像を本尊とする坂上田村麻呂縁りの泊観音と呼ばれた清水寺が山上にあって信仰を集めていたといいます。