旬のおさかな情報
No.30 アサリ 2016年6月30日
アサリ
アサリは、味噌汁、酒蒸しなどの和食のほか、パスタ、パエリアなどの洋食でも食される貝で、日本だけでなく、世界中で漁獲されています。三重県でも一年中漁獲されていますが、その旬は、産卵前に身がぷっくりと太る春先です。
現在、全国でアサリ資源の減少が問題となっており、三重県でも昭和60年代以降漁獲量が激減し、平成27年からは、戦後最低の不漁が続いています。
アサリは主に干潟に生息し、海水中の植物プランクトンを食べて成長します。成長したアサリは1個体が1時間に1リットルもの海水をろ過してくれるので、沿岸域の水質浄化に大きく貢献しています。また、人が食べるだけでなく、魚や鳥の餌にもなるため、豊かな生態系の維持にも欠かせない存在なのです。そのため、アサリ資源の回復は、漁業に携わる人のみならず、伊勢湾流域で暮らす私たちみんなに関係する課題と言えるでしょう。
今、三重県では、伊勢湾の水質改善に向けた取り組みや、アサリの生息場となる干潟の造成を進めています。また、漁業関係者が一丸となって、アサリ資源を管理するなど、様々な取り組みを進めています。このような取り組みが功を奏して、アサリ資源の回復が図られ、伊勢湾産のアサリがみなさんの食卓に上ることが期待されています。
(2016年6月30日掲載 鈴鹿水産研究室)