旬のおさかな情報
No.18 ハガツオ 2014年12月1日
ハガツオ
ハガツオ 標準体長約50㎝ 南伊勢町贄浦 平成26年11月27日撮影
ハガツオ 頭部 標準体長51㎝ 南伊勢町贄浦 平成26年11月27日撮影
今年はハガツオの多い年で、11月末になっても定置網でのまとまった水揚げが続いています。ハガツオの「ハ」は、「歯」のことで、姿は似ていても、カツオにはない立派な歯を持っています。また、カツオは腹側に黒色線が現れますが、ハガツオでは背中側にあります。このように良く見れば姿も異なっていますが、身質は大きく異なり、ハガツオではカツオのように赤みを帯びず、白っぽく柔らかいのが特徴です。このため、身持ちが悪く、鮮度が低下すると身割れしやすい欠点を持っていて、市場での評価は高くありません。
しかし、産地での評価は違います。鮮度が良いと、柔らかい身はもっちりとした歯ごたえの刺身になり、味わいはあっさり基調でありながらも旨みや脂もあって、いくらでも食べたい、そして食べられる、人気も価格も高い魚なのです。
ハガツオ 南伊勢町贄浦 平成26年11月27日撮影
そのうえ、ハガツオは熊野灘では沿岸近くで細々と暮らしているようで、カツオのようにまとまって獲れることが少ないことも価格高騰の一因といえます。本当は前回のカツオの記事の時に、ハガツオとどちらをおすすめしようか迷ったのですが、ありがたいことに今年のハガツオはまだ水揚げが続いており、しかもまとまって獲れるので入手しやすいといえるでしょう。せっかくのチャンス、ハガツオはぜひ丸ごと購入して自宅でさばき、お刺身を山盛りにして、たっぷりと召し上がっていただきたいと思います。あまりの美味しさと食べやすさに、とても食べきれないと思うくらいの量が、あっさりとお腹に収まって驚くこと請け合いです。
(2014年12月1日掲載 企画・資源利用研究課)
定置網漁業(水産資源課へのリンク)