おさかな雑録
No.88 アカマンボウ幼魚 2013年8月15日
極彩色の幼魚
アカマンボウ 標準体長83mm 南伊勢町贄浦 平成25年8月8日撮影
まき網の選別場所でひときわ鮮やかな幼魚を発見。地味な魚が多い中、あまりに鮮やかで、まるでモノクロの絵の中に間違ってカラーで登場してしまったかのようでした。姿形からすぐにアカマンボウと判断されたこの幼魚は、体形は成魚と大きく違わないのですが、ひれの色と形はずいぶん派手に飾り立ててあるようです。腹鰭は伸長し、鮮やかなオレンジ色をしています。また、第1背鰭棘は著しく伸長し、背鰭軟条部や臀鰭は黄色みを帯び、尾鰭は薄い朱色をしています。背鰭棘条部は破損によって色彩がはっきりしませんが、腹鰭や尾鰭のような、オレンジや朱色がところどころ伺えます。
この幼魚の鰭は黄色基調で、赤い成魚の鰭と比べると鮮やかな印象が一層強まります。また、尾鰭の色が成魚に近づいているとすれば、ひょっとするともっと小さいうちはすべての鰭が黄色で、尾鰭からだんだんと赤く変化していくのかもしれません。
上の写真のとおり、きちんと整った標本ではありませんが、市場通い5年目にして初のお目見えです。次の標本はそうそう滅多には手に入らないと思われますので、この機会に紹介しておきます。
(2013年8月15日掲載 資源開発管理研究課)