カレイ
カレイ類は伊勢湾では主に底曳網や刺し網で漁獲されます。秋から冬にかけて脂が乗り始め、本格的な食べごろを迎えます。左ヒラメに右カレイと言われるように、おなかを手前にしたときに目が左側にあるのがヒラメ、右側にあるのがカレイ類ですが、すべてのカレイ類が目が右側にあるとは限りませんので注意が必要です。なお、鮮魚としてのカレイになじみがない方でも、実は多くの皆さんが白身魚のフライなど加工品の形で口にされています。
煮付けの下ごしらえの仕方
カレイ類の定番の食べ方は煮付けでしょう。こいくち醤油を主体とした甘辛い味付けで煮るのも良いですし、白醤油やうすくち醤油を用いて薄味で煮含めるのもご飯の友として大変おいしいものです。しかし、カレイには独特の風味(クセ)があり、下処理がおいしい煮つけをつくる大切なポイントです。まず、カレイのウロコをよく取り除き(ウロコのないイシガレイは省略)、多目の塩で表面をよくこすり洗いをすること、それから内臓が残らないように丁寧に水道水で洗い、同時にエラを取り除いてしまうことです。魚屋さんで調理してもらった場合でも、ちゃんと塩を使った水洗いの行程は家で再度行いましょう。よく洗ったカレイには味を含みやすいように飾り包丁をいれ、さっと熱湯にくぐらしてから氷水で急冷する「霜降り」は必ず行いましょう。このように下ごしらえをしたカレイをお好みに煮付けてください。
酒蒸しの作り方
水洗いと飾り包丁を入れるまでは煮付けと同じです。生の状態のカレイを、昆布を敷いた深めのお皿に入れ、軽く塩を振り、日本酒を注ぎいれます。このときお好みでショウガの薄切りや梅干などを崩しいれてもよいです。10~30分ほど置いて、味をなじませた後、強火で15分ほど蒸します。でき上がったら、柚子、すだち、カボス、醤油などとともに召し上がってください。(食べ終わったら、お皿の下に魚の旨味がぎゅっと詰まったスープが残っているはずです。せっかくなのでご飯にかけながらカレイを最後まで味わいつくしてください。)
フィッシュアンドチップスの作り方
食べ盛りのお子さんがいるご家庭では、白身魚では物足りないとの声が聞こえてくるかもしれませんので、ここはひとつボリュームいっぱいのイギリスの定番の魚の食べ方、フィッシュアンドチップスはいかがでしょうか。
魚は切り身でも、冷凍でも構いません。塩をした身に牛乳(少量でも可)をかけて1~2時間から半日程度置いておき、臭みを抜きましょう。その後、白コショウをたっぷりと振り、再度振り塩をして、ビール、溶き卵と牛乳で溶いた小麦粉か米粉に浸してから、160度くらいの油でゆっくりと揚げます。油から出す前に温度を170~180度に上げ、カリッとなるように揚げてください。また、ジャガイモを1cmくらいの拍子切りにして揚げたフライドポテト(チップス)を大量に添えてください。食べるときには、レモンをたっぷりと振りかけて召し上がってください。このほか、酢とパセリを多めにして作ったタルタルソースもよく合いますよ。カレイ以外の魚種では、サワラ、シシャモ、ワカサギ、マダラなど身が柔らかめの種類が合うようです。このフィッシュアンドチップスやピザのように、箸やナイフとフォークで食べるより、手づかみの方がおいしい食べ物のことを、英語ではフィンガーフードといいます。食卓には各自手を拭く布巾を用意して、手づかみで豪快に食べましょう!