小アジを食べよう
三重県周辺海域では初夏から秋にかけて小さなマアジ(小アジ、豆アジ)が数多く水揚げされ、食卓をにぎわせてくれます。
小アジの代表的な食べ方は何と言っても南蛮漬けです。油で揚げたマアジを酢をベースとした合わせ調味料に漬け込むのが南蛮漬けの作り方。大きなマアジは3枚におろした切り身で南蛮漬けを作りますが、小アジでは頭や内臓を取り除く必要がなく調理が簡単です。また、頭や骨も酢の働きで柔らかくなるので食べやすいですし、内臓ごとたべることで鉄分、DHA、EPAなどの有用成分もまるごと摂取できます。好みや魚の大きさに応じて、内臓だけを取り除いたり、頭を取り除いたり、3枚に下したりしてください。
南蛮漬けの作り方
南蛮漬けの作り方(和風の簡単素揚げ編)
材料はアジ、タマネギ、塩、コショウ、酢、醤油、砂糖(お好みで)、揚げ油です。合わせ酢には、米酢、煮きり酒、醤油を薄切りにしたタマネギと合わせておきます。
①買って来た小アジに塩をまぶし、軽く揉み洗いをして表面の汚れを取り除いた後に、水道水でよく洗い流します。塩は多目に、ふつうの1パックあたり大さじ1-2杯程度が目安です。
②小アジの水気をキッチンペーパーなどでしっかりと取り除きます。
③合わせ酢を作ります。米酢と煮切り酒を2:1で混ぜ合わせ、コショウと醤油で味を調えます。酢の比率を多くすると日持ちしますのでお好みで調整してください。お好みで砂糖を入れてもよいです。タマネギのスライスを合わせ酢に入れ、軽く混ぜ合わせた後に横のほうに山盛りにしておきます。これは、アジを入れる場所を作るためです。
④160度の温度でゆっくりと素揚げにします。なお、魚の臭いが油に付きますので、素揚げにした後の油で別のものを揚げない方が良いですよ。
⑤少なくとも表面が固まるまでしっかりと揚げてください。
⑥揚げたての熱々を、ジュッと音がするように合わせ酢の中に漬け込みます。漬け込んだ後、次のアジが揚げ上がる前にタマネギの上などに避けておきます。こうすることで、揚げたアジが合わせ酢に漬け込む場所を確保してください。
⑦漬け込む時間は10分程度でも、数日でも、どちらもそれぞれの味が楽しめます。素揚げの南蛮漬けでは、低温で骨が柔らかくなるくらいにゆっくり揚げます。素揚げは身が若干固くなる一方、合わせ酢に漬けて数日保存しても魚の形がしっかりと保たれます。
南蛮漬けの作り方(応用編)
①粉を付けて揚げる
粉をつけてから揚げると、身のふわっとした食感を楽しむことができる反面、若干骨が気になることがあります。お好みで使い分けてください。粉は米粉、小麦粉、トウモロコシの粉いずれもおいしく頂くことができます。しかし、片栗粉を使うと合わせ酢がドロドロになってしまいます。また、いずれの粉を用いても合わせ酢に漬ける時間は長すぎない方がよいでしょう。素揚げ同様よく水気を取り除いた豆アジを、ビニール袋の中に入れ、粉を適量加えて、また、袋に空気をいっぱい入れた状態で袋の口を閉じ、ボール上になった袋をよく振ると、粉が満遍なく魚につきますし、後片付けが簡単です。油の温度は素揚げよりちょっと高めで170度程度でカラッと揚げるのがよいでしょう。揚げたものをすかさず合わせ酢に入れるのは、酢揚げのときと同様です。
南蛮漬けの作り方(アレンジ編)
①合わせ酢に千本に切ったニンジンやピーマン等を入れる。柑橘の皮を入れる。
②合わせ酢に鷹の爪、ごま油を入れて中華風にする。
③基本の合わせ酢で、米酢を穀物酢やワインビネガーに、煮きり酒の代わりにワイン、醤油を塩に変え、セロリの千切り等洋風野菜を加えて洋風にする。
④揚げずにグリル、焼き網やフライパンで素焼きにしたものを酢に漬ける。
⑤目刺しやアジの開きを材料にしてもおいしいです。
(企画・資源利用研究課)