おさかな雑録
No.50 ウスエイ 2011年7月8日
深海のエイ
ウスエイ 体盤幅73cm 雌 南伊勢町奈屋浦産 平成23年7月7日撮影
まき網の水揚げ場所で見慣れないエイを発見。漁業者の方に「エイだろ?」と言われ、「エイですね。」と答えたものの、そのまま絶句。持ち帰って調べるとウスエイという深海のエイでした。確かに言われてみれば薄っぺらい体をしています。
ウスエイ 体盤幅73cm 雌 南伊勢町奈屋浦産 平成23年7月7日撮影
ウスエイの特徴のひとつは、吻が長く、目の前方域が広いことです。 体は薄く、筋肉と軟骨の筋が浮き出て見えます。
ウスエイ 体盤幅73cm 雌 南伊勢町奈屋浦産 平成23年7月7日撮影
また、背鰭がなく、長い尾鰭を持つことも特徴です。尾の棘は長く鋭いものが2本ついていました。
ウスエイ 体盤幅73cm 雌 南伊勢町奈屋浦産 平成23年7月7日撮影
さらに腹面にも大きな特徴があります。鼻孔周辺の縁辺がひだ状になっていることです。
ウスエイ 鼻孔周辺 体盤幅73cm 雌 南伊勢町奈屋浦産 平成23年7月7日撮影
このように特徴がいっぱいのウスエイ、次に見ることがあるかどうかわかりませんが、もし出会えたらすぐにわかると思われます。ウスエイはこれまで、東シナ海、九州-パラオ海嶺などの水深350~395mから知られていて、熊野灘での記録は初めてかもしれません。
(2011年7月8日掲載 資源開発管理研究課)