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平成23年04月27日

おさかな雑録

No.45 マアナゴ 2011年4月27日

アナゴの子供

 『レプトケファルス(レプトケパルス・レプトセファルス)』と聞いて,イメージできるでしょうか。葉形仔魚とも呼ばれ,平たく細長く“透明”な幼生のことです。ウナギ目などで見られます。

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マアナゴのレプトケファルス                鈴鹿市白子  平成23年4月25日撮影
 これはイカナゴ(コウナゴ)船曳網の混獲物です。よく見ると透明の体には色素(黒色素胞)や筋節があり,これらの特徴から種名を調べることができます。
 三重県北中部では「オバサン」・「ギャフ」,鳥羽市の離島周辺では「デレ」と呼ばれます。しかし,漁師町でもこれが何の子供なのか知らない方がいます。聞いてみるとウミヘビ? ,タチウオ? っていう声も聞かれます。
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マアナゴのレプトケファルスの頭部(1目盛りは1㎜)  鈴鹿市白子 平成23年4月25日撮影

 天ぷらやお寿司で馴染みあるマアナゴ,どこから来るのでしょう。実は産卵場が分かっていません。本州のはるか南東”あたり”で産まれ,黒潮に乗って日本にやってくる程度です。
 伊勢湾では12月末頃から幼生が見つかります。成長は早く,変態後のシラスアナゴ,親と同じような形のクロコを経て,どんどん大きくなり,早いものでは秋に20cmほどになります。
 漁獲で考えると,そのサイズでは価値も低く,もったいないです。そこで現在,伊勢・三河湾では,10・11月に小型底びき網で漁獲された小型アナゴ(全長25cm以下)の水揚げが禁止されています。再放流して大きくしてから獲りましょう,という取り組みです。
 同じ資源を獲る愛知県とも連携して,おいしい地物の資源を守る取り組みをしています。 
 (2011年4月27日掲載 鈴鹿水産研究室)

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