現在位置:
  1. トップページ >
  2. 観光・産業・しごと >
  3. 水産業 >
  4. おさかな図鑑 >
  5. おさかな情報 >
  6. おさかな雑録 >
  7.  おさかな雑録 No.44 小さば 2011年4月15日
担当所属:
  1.  県庁の組織一覧  >
  2.  農林水産部  >
  3. 水産研究所  >
  4.  企画・水産利用研究課 
  • facebook
  • facebook share
  • twitter
  • google plus
  • line
平成23年04月15日

おさかな雑録

No.44 小さば 2011年4月15日

市場では区別されていませんが、区別可能です

 問題

 下の写真の魚の名称を答えなさい。体長は10cm程度です。

#

南伊勢町贄浦 平成23年4月14日撮影

答えは、上の4個体がマサバ、下の3個体がゴマサバです。

  サバと答えた方は、かなり魚に慣れている人でしょう。魚は、幼い時は成魚と異なる風貌をしていることが多く、幼魚を見て正確に名前を当てることは簡単ではありません。産地でもこのサイズはひとまとめにして小さばと呼ばれますので、魚がわかる人でも普通はそう答えると思います。しかし、ここでは△です。

  ゴマサバについて、体側腹側にゴマを散らしたような模様がある魚だと理解している人もいるでしょう。筆者も昔そうでした。しかし、それだと上の魚は全部マサバになってしまいます。また、たくさんの魚をみれば、ゴマ模様のような斑点を持ったマサバも出てきます。つまり、ゴマ模様だけに着目すると、両種を見誤ることになります。

 一方、マサバとゴマサバはまったくの別種で、成魚でも幼魚でも見分ける方法がちゃんとあります。 ポイントは二つ。ひとつは「体側中央に一列に並ぶ黒い斑点」で、この斑点は背側面の虫食い状模様とは連続しないものを指します。ゴマサバにはこの斑点があり、マサバにはありません。上の写真も、よくみれば体側中央の斑点で区別できるのではないでしょうか。

 そしてもうひとつのポイント、「背びれ棘」は、マサバのほうが棘数が少なく、後方の棘間隔が広くなります。厳密には、背びれ第9棘までの背びれ基底長と体長との比で両種は区別できます。簡便に数えて見分けるなら、9本以下ならマサバ、11本以上ならゴマサバです。10本は微妙ですが、筆者は棘間隔が広く、鰭膜で連なる棘が9本以下であればマサバと判断しています。

#

マサバ 南伊勢町贄浦 平成23年4月14日撮影

 上の写真は、千枚通しがあるため1本目が見づらいですが、棘は10本あり、後半の間隔は広く、鰭膜で連なるのは9本目までです。

#

ゴマサバ 南伊勢町贄浦 平成23年4月14日撮影

 こちらも千枚通しで1本目が見づらいですが、背びれ棘は10本見え、10本目まで鰭膜で連なっています。

#

ゴマサバ 標準体長10.5cm 志摩市波切産 平成23年3月28日撮影

 こちらの個体は、体側の斑点が少し不明瞭ですが、  

#

ゴマサバ 標準体長10.5cm 志摩市波切産 平成23年3月28日撮影

 背びれ棘を数えればこのとおり、ゴマサバであることが明らかです。

 マサバ、ゴマサバは別種であり、それぞれ資源評価の対象です。毎年どのように加入し、漁獲されているのかをしっかりと調査することが必要です。そのためにはできるだけ小さな個体から両種を区別することが欠かせません。市場に通うようになって3年目。おかげさまで、ようやく現場で区別、測定をこなすことができるようになってきました。 

 (2011年4月15日掲載 資源開発管理研究課)

バックナンバー一覧

 

本ページに関する問い合わせ先

三重県 水産研究所 企画・水産利用研究課 〒517-0404 
志摩市浜島町浜島3564-3
電話番号:0599-53-0016 
ファクス番号:0599-53-2225 
メールアドレス:suigi@pref.mie.lg.jp

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

ページID:000051241