おさかな雑録
No.32 オアカムロ 2010年11月1日
名が体を表す魚
オアカムロ 標準体長19.8cm 南伊勢町贄浦産 平成22年8月27日撮影
オアカムロは産地では赤ムロなどと呼ばれる魚で、まき網などの漁獲物中に比較的よく見かけます。ムロアジ属の中でも、比較的細長い体型の魚がいわゆる「ムロアジ」で、ムロアジ、クサヤモロ、モロ、そしてオアカムロが該当します。その中でもオアカムロはその名のとおり尾鰭が赤く、よく目立つ魚で、市場でもきちんと区別されることが多いようです。
オアカムロ 標準体長19.8cm 南伊勢町贄浦産 平成22年8月27日撮影
その他の特徴は、頭頂部の鱗の範囲は目の中央を越え、稜鱗は側線直走部の全体を覆います。また、モロやクサヤモロと比べると目や頭が大きく、「顔が濃い」印象を受けます。
オアカムロ 標準体長14.5cm 南伊勢町奈屋浦産 平成22年7月8日撮影
モロ 標準体長11.8cm 南伊勢町奈屋浦産 平成22年7月8日撮影
クサヤモロ 標準体長17.0cm 南伊勢町奈屋浦産 平成22年7月16日撮影
オアカムロは大型になり、特に大型のものは脂ものって美味ですが、ムロアジ属共通の特徴として、マアジに比べると鮮度低下が早く、産地でないとその真価を確かめることが難しい魚です。したがって、一般にはあまり知られていません。もし産地で鮮度のよいものを見かけられたら、ぜひお刺身にして召し上がってください。値段も安く、知る人ぞ知るお勧めの魚です。
オアカムロ 標準体長36cm 南伊勢町奈屋浦産 平成21年11月9日撮影
(2010年11月1日掲載 資源開発管理研究課)