おさかな雑録
No.24 マアジ 2010年7月14日
アジは夏の魚
マアジ 南伊勢町贄浦産 平成22年6月17日撮影
マアジは「あじ」として広く知られる魚で、知名度からいえばベストテンに入るくらい、私たちになじみの深い魚です。小さな豆あじは唐揚げ、少し大きくなると南蛮漬けや丸干し、塩焼きなど、マアジは食べるときまで姿が残っていることも多く、比較的顔と名前が一致しやすい魚とも言えるでしょう。また、大型になれば高級刺身用素材として高値で取引され、漁業者にとってもありがたい魚です。
マアジの特徴は、稜鱗(りょうりん)と呼ぶ鋭い鱗が側線のすべてを覆うこと、背鰭と臀鰭の最後の鰭条が、その直前と離れないことです。また、比較的細長い体型のアジ科魚類のなかでは、体がやや側扁(背と腹の方向に平べったいこと)しています。
マアジ 南伊勢町贄浦 平成22年6月17日撮影
マアジは夏の魚で、春に豆あじとして来遊した幼魚がすくすくと育って小アジとなり、一方大型魚は産卵期を迎えて体がはち切れんばかりになっています。大きくても小さくても、どんな食べ方でも、夏のマアジは最高の味わいといえるでしょう。
この時期、たくさんマアジが獲れれば言うことないのですが、今年は今のところマアジの水揚げが少なめで、このような水槽いっぱいのマアジを見ることがあまりありません。今が旬のマアジ、これから漁があることを祈るばかりです。
(2010年7月14日掲載 資源開発管理研究課)