おさかな雑録
アユの標識放流作業
「アユの受け取り・検量」 「標識作業」
先日,アユの標識作業と放流を同時に実施しました (写真は,すべて平成22年6月6日)。この標識は三重県では初導入だと思います。
鈴鹿水産研究室では鈴鹿川水系加太川の一部をモデル河川として,アユの減少要因の解明に関する調査を進めています。2年間の調査で,降雨による増水後に減少していることが分かりました。ただし増水と減少の関係が分からないため,今年度は2つの放流群(湖産・県内人工産)を設定し,これらに標識放流を施し追跡することとしました。
「ハラビレの一部切除」 「早く・丁寧に・確実に」
すべての標識群のアブラビレを切除し,左右のハラビレの一部切除で2群を識別します。今回は,腹側から見て左側一部切除が湖産,右側一部切除が県内人工産としました。こうすることでアブラビレで標識群が,ハラビレで2つの放流群を識別できます。
漁協の放流種苗を分けてもらったので,作業は湖産種苗が届く日曜朝10時に開始しました。アユにストレスをかけずスムーズに進めるため,アブラビレとハラビレの切除担当を分けて,麻酔の効きやその回復を見ながら手際よく進めることができました。
初めての野外作業にも関わらず,順調良く進んだので,2時間程度で300尾強に標識を施し,放流することができました。これからは週1回程度のペースで潜水調査し,アユの個体数を計数のあと採集し,標識を確認して2つの放流群の生残を比較します。
「麻酔から覚めた個体を放流」 「漁協役員によるカワウ除けの糸張り」
(2010年6月15日掲載 鈴鹿水産研究室)