おさかな雑録
No.18 アサリ,バカガイ(アオヤギ) 2010年4月6日
アサリ・バカガイ(アオヤギ)
「噴射ポンプ式の貝桁網」平成22年4月1日 「鈴鹿市漁協のセリ」 平成22年4月5日
県下では鈴鹿地区のみ操業が許可されている噴射ポンプ式の貝桁網が,4月1日に解禁になりました。船上のポンプから送った海水を貝桁の先端から噴射して,漁獲効率を上げる工夫がされています。
鈴鹿水産研究室隣の鼓ヶ浦海岸でも早朝から操業がされており,各浜で水揚げされた新鮮な貝が,10時のセリ開始に合わせて白子漁港に集まります。
採貝漁業は設備投資費が少ないため参入しやすく,地先の資源を漁獲するため,漁獲圧が容易に高くなります。そのため各地で漁獲量制限や操業期間,禁漁区の設定等がなされています。鈴鹿地区の噴射ポンプ式の貝桁網は3ヶ月限定です。また出漁日にはバカガイとアサリを採る地区を分けて,採りすぎによる値崩れ防止などにも取り組んでいます。
「網袋に入ったままセリにかけられるアサリとバカガイ」 平成22年4月5日
陸から伊勢湾に流れ込む有機物(栄養分)は,多すぎると赤潮(植物プランクトンの大量発生)の原因になるなど,時として悪い影響を与えます。一般的な二枚貝は濾過食者であるため、水質浄化機能が期待できます。適切な資源管理のもとで採られた二枚貝を海から食べ物として取り上げることは,沿岸域から有機物を除去することに繋がります。伊勢湾のアサリ・バカガイとも旬は春です,おいしく食べることは環境にもやさしいことになります。
(2010年4月6日掲載 鈴鹿水産研究室)