平成21年1月19日
イカナゴ情報(H21-1号)
三重県水産研究所
鈴鹿水産研究室
1月15~16日に伊勢湾全域において、イカナゴ仔魚の採集調査を実施しましたので,その概要を報告します。
図1に各測点における仔魚採集尾数を示しました。今回の調査で、イカナゴ仔魚は産卵場に近い湾口から湾中央部までの測点で採集されました。
今回湾内で採集された仔魚の平均体長は4.8㎜で、湾外で採集された仔魚の平均4.3㎜とあまり差が無く、現在、湾内全域へと拡散する途上にあると考えられます(図1及び図2)。
今回湾内全測点の平均採集尾数は8尾/㎡で、仔魚が湾全域に拡散した時点の採集密度と比較するにはまだ少し早いのですが、ほぼ同じと仮定して比較しますと、昨年(1月中旬:55尾/㎡)、一昨年(1月中旬:228尾/㎡)をかなり下回っています(表1)
愛知県水産試験場の1月上旬(1月6日)の調査では湾口で1尾採集されただけでしたので、非常に産卵が早く始まった昨年よりも、今期の稚魚の出現は1旬程度遅くなっているようです。また、現在採集されている平均体長4.8㎜の仔魚が今期の加入第1群とみられます。
なお、今年の伊勢湾の水温は12月まで平年よりやや高めで経過しましたが、1月にはほぼ平年並となっています。
次回は愛知県水産試験場が調査を予定しています。データが整理でき次第、本情報にて報告します。
図1 ボンゴネットによるイカナゴ仔魚採集量(単位は尾/m2)及び体長頻度分布
表1 ボンゴネットによる仔魚採集量(湾内全点平均値)
図2 採集されたイカナゴ仔魚の体長組成