沿岸定線観測結果
2019年9月熊野灘(2-3日、調査船「あさま」79トン)
調査結果の概要
調査時の表面水温は25.5~28.9℃、50mでは16.8~21.1℃、100mでは15.2~17.4℃、200mでは11.4~12.4℃の範囲にあった。表面では南部沿岸域で平年より1℃前後の低め他は平年より高めで、北部沖合域では平年より2℃以上も高めであった。50mでは沿岸域で平年より1℃前後低め、沖合域で平年より1℃前後高めであった。100m~200mでは平年並~1℃前後高めであった。北部沖合域の表面では高水温が顕著で、Stn22では28.1℃、Stn.23では28.9℃を記録し、共に1972年の観測開始以来9月の最高水温を更新した。一方、南部沿岸の表層では、8月末に発生した沿岸湧昇の影響で低水温が顕著で、Stn.9の20mでは21.3℃を記録し、9月としては1966年の観測開始以来、最も低い水温を更新した。
表面の塩分は32.47~34.00、20mの塩分は33.51~34.62の範囲にあり、沿岸域で平年より高め、沖合域で平年より低めであった。沿岸湧昇の影響で沿岸域の20mでは高塩分が顕著で、Stn.6の20mでは9月としては1966年の観測開始以来、最も高い塩分を更新した。
今月の観測では、Stn.30の表層で2.5ノットを超える速い流れを観測したが、200mで11.8℃の低水温であったことから、黒潮ではないと判断した。
なお、今月の観測ではDOセンサー不調のため、DOは欠測とした。
調査の概要
調査海域及び定線 熊野灘(下図)
調査員 久野 正博・岡田 誠
使用観測機器
・水温、塩分、DO、クロロフィル
CTD:SeaBird社製SBE-9plus
:鶴見精機製XCTD
DO:SeaBird社製SBE43
クロロフィル:WetLab社製 Eco-AFL
・流向流速計ADCP:RD社製300kHz
*観測データ、印刷用PDFのダウンロードはインデックスページをご利用ください。