2005年02月17日
アーカイバルタグ(記録型標識)を装着したブリを放流しました
水産研究部 資源開発管理グループ
ブリの標識放流について
ブリは日本海側の対馬暖流系群と太平洋側の太平洋系群に分けられ、日本海側における過去の調査では、大型ブリの多くは春期に九州西方へ産卵のために移動した後、日本海へ戻ることが明らかになっていますが、本調査では、太平洋側におけるブリの南下回遊経路や産卵場を明らかにすることを目的とします。
アーカイバルタグには回遊中の水温、水深、照度が記録され、これらの情報から位置を推定することが可能で、その魚の回遊経路を知ることができます。
今回の放流状況
2月17日の朝、志摩市片田沖の大型定置網に入網した尾叉長90cm前後の大型ブリ10尾および尾叉長67cm前後のワラサ6尾(うち5尾は2月14日に入網した個体)を用いました。アーカイバルタグ装着後、12:30に片田漁場の南西約2km沖にて放流しました。標識ブリには腹側にセンサーの出たアーカイバルタグ、背中側に黄色い矢尻型のダートタグ2本が付けられています。
報告のお願い
標識の装着されたブリを漁獲された場合には、以下の項目について報告お願いします。可能であれば魚体を冷蔵保存して下さい。その魚の年齢、性別、成熟度を調べます。
- 漁獲年月日
- 漁獲場所(可能であれば緯度、経度)
- 標識の番号(アーカイバルタグはケーブルを切断せずに保管お願いします。)
- 漁具・漁法
- 尾叉長と体重(魚体を冷蔵保存お願いします。買い取り致します。)
- 漁獲された方のお名前、住所、電話番号(記念品をお送りします。)
連絡先 …標識ブリを漁獲されましたら、ご連絡お願いします。
三重県科学技術振興センター 水産研究部 資源開発管理グループ
〒517-0404 三重県志摩市浜島町浜島3564-3
Tel:0599-53-0016、Fax:0599-53-2225
2005年2月17日、片田定置漁場の操業風景。 朝の操業では10~13kg級の大型ブリが約1,100尾も入網しました。 その中のブリ10尾、ワラサ1尾および事前に確保しておいたワラサ5尾の合計16尾にアーカイバルタグを装着しました。 左の写真は昼の操業での様子です。 |
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(標識装着作業) ブリの尾叉長を測定した後、腹腔内にアーカイバルタグを埋め込む手術をしました。 麻酔はしていません。 |
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(標識魚の放流1) 腹腔内にアーカイバルタグを埋め込んだブリを沖で放流しました。2月17日12:30片田沖。 センサー部分は体外へ出ています。 |
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(標識魚の放流2) 背中にも目印となる黄色いダートタグをつけてあります。 |