平成20年2月12日
イカナゴ情報(H20-2号)
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
2月4~5日に伊勢湾全域において、ボンゴネットによるイカナゴ仔魚の採集調査を実施しましたので,その概要を報告します。なお、伊勢湾観測を併せて実施したところ、水温は概ね平年並みでした。また、前回(1月15~16日)以降、愛知県水産試験場が1月28~29日にボンゴネットでの全域調査と2月2日にカイト式稚魚ネットで湾口部周辺での採集試験を行っています。
図1に各測点における仔魚採集尾数を示しました。今回も全域の測点でイカナゴ仔魚が採集されましたが、平均採集尾数は13尾/m2となり、昨年(32尾/m2)及び一昨年(175尾/m2)の同時期を下まわるレベルとなっています(表1)。
今回湾内全域で採集された仔魚の平均体長は11.7㎜で、体長10㎜から15㎜前後の個体が主体でした(図2)。愛知県水産試験場が2月2日に行ったカイト式稚魚ネットによる調査でも体長10㎜から15㎜前後が主体でした。稚魚ネットは伊勢湾全域の結果ではありませんが、この結果から見る限り2月初旬現在の主群は体長10~15㎜程度と思われます。
なお、1月17日に親イカナゴの成熟調査を行い、ほとんどが産卵済みであることを確認しています。
次回は愛知県水産試験場が2月10日ごろにカイト式稚魚ネットで広域的な調査を予定しています。その結果をふまえて、今年度の主群を捉え、今後の試験曳きの日程を調整する必要があると考えています。
1月15日~16日 |
1月28日~29日 |
2月4日~5日 |
図1 ボンゴネットによるイカナゴ仔魚採集量(単位は尾/m2)
表1 ボンゴネットによる仔魚採集量(湾内全点平均値)
1月15日~16日
1月28日~29日
2月2日(カイト式稚魚ネット)
2月4日~5日
図2 採集されたイカナゴ仔魚の体長組成