平成19年2月7日
イカナゴ情報(H19-3号)
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
2月5~6日に伊勢湾全域で、イカナゴ仔魚の採集調査を実施しましたので,その概要を報告します。
イカナゴ仔魚は全域の測点で採集されましたが、伊勢湾内全測点の平均採集尾数は前回調査時(98尾/m2)よりさらに減少し32尾/m2となりました(表1)。1月末の湾口への暖水波及で後続のふ化直後仔魚の採集数が昨年よりも減っているためと考えられます。採集数の減少傾向から初期加入尾数は昨年を下まわるレベルと見られます。
表1 ボンゴネットによる仔魚採集量(湾内全点平均値)
図1に各測点における仔魚採集尾数を過去2年の同時期のものと比較して示しました。2月上中旬で比較すると昨年よりは少なく、1昨年よりは数多く分布していることがわかります。
図1 ボンゴネットによるイカナゴ仔魚採集量(単位は尾/m2)
図2に今回の調査で採集されたイカナゴ仔魚の体長組成を、伊勢湾内と湾外(外海)とに分けて示します。湾内の仔魚は平均で9.4mmと10mm程度にまで成長しています。一方湾外の稚魚は平均で4mmとふ化直後であると見られます。湾内の早いものでは17mm程度になっています。湾内の水温も平年より2℃程度高めとなっていることなどが影響し、昨年よりも仔魚の成長は早い模様です。今漁期の漁獲対象の主群を慎重に見極め、今後の試験曳きの日程を調整する必要があると考えます。
図2 採集されたイカナゴ仔魚の体長組成