平成19年1月30日
イカナゴ情報(H19-2号)
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
1月22,24~25日に伊勢湾全域及び三河湾において、イカナゴ仔魚の採集調査(愛知水試)を実施しましたので,その概要を報告します。 前回の調査と同様に、イカナゴ仔魚は全域の測点で採集されましたが、伊勢湾内全測点の平均採集尾数は前回調査時(228尾/m2)より減少し98尾/m2となりました(表1)。
表1 ボンゴネットによる仔魚採集量(湾内全点平均値)
図1に各測点における仔魚採集尾数を過去2年の同時期のものと比較して示しました。1月下旬どうしで比較すると前年ほどではありませんが、一昨年よりは数多く分布していることがわかります。
図1 ボンゴネットによるイカナゴ仔魚採集量(単位は尾/m2)
過去、湾内に仔魚がほぼ定着した段階のネットによる湾内平均採集量とその年の加入尾数との間には図2のような関係があります。これに今期の1月中旬の採集量(228尾/㎡)を当てはめると、初期資源尾数は472億尾となり、近年では高い水準となると予想されます。
図2 採集されたイカナゴ仔魚の体長組成
しかし、1月末から伊勢湾口への黒潮系暖水の波及が顕著となり、稚仔魚の生残、特に後続群の加入に不利な状況となっていると考えられます(図3)。
図3 人工衛星海況速報2007-14号(1月29日)による海面水温分布
次回の調査は三重県が2月1日~2日に伊勢湾全域でのボンゴネット、愛知県が1日にカイト式稚魚ネットを予定しています。データが整理でき次第、本情報にて報告します。