平成18年1月30日
イカナゴ情報(H18-4号)
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
1月25~27日に伊勢湾全域及び三河湾において,イカナゴ仔魚の採集調査(愛知水試)を実施しましたので,その概要を報告します。 前回同様、イカナゴ仔魚はほぼ湾内全域の測点で採集されましたが、湾内全測点の平均採集尾数は前回調査時(176尾/m2)より若干減少し130尾/m2となりました(表1)。
表1 ボンゴネットによるイカナゴ仔魚採集量(全観測点平均値)
図1に各測点における仔魚採集尾数を過去3年の同時期のものと比較して示しました。伊勢湾では,湾口から湾央部まで分布量も多く,三河湾の分布量も多くなっています。
図1 ボンゴネットによるイカナゴ仔魚採集量(単位:尾/m2、●数字無は曳網無)
イカナゴの体長を見ると9mm台の第1群と6~7mm台の第2群が伊勢・三河湾で,4mm台の第3群が外海で採集されています(図2)。
図2 採集されたイカナゴ仔魚の体長組成
過去、湾内に仔魚がほぼ定着した段階のネットによる湾内平均採集量とその年の加入尾数との間には図3のような関係があります。これに今期の1月中旬の採集量(176尾/m2)を当てはめると,初期資源尾数は363億尾となり,今期の漁況は近年では高い水準となると予想されました。しかし,現在の伊勢湾の海況は透明度が例年になく高く,湾奥部でも8mもあって,イカナゴの餌料環境としては不安定な状況のため,今期の漁況予測には未だ不確定要素があると考えています。
図3 仔魚分布密度と新仔加入量の関係
次回の調査は2月2日~3日に伊勢湾全域で予定しています。データが整理できしだい,本情報にて報告します。