平成18年1月16日
イカナゴ情報(H18-2号)
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
1月12~13日に伊勢湾全域において、イカナゴ仔魚の採集調査を実施しましたので,その概要を報告します。
図1に各測点における仔魚採集尾数を過去2年の同時期のものと比較して示しました。今回の調査で、イカナゴ仔魚はほぼ湾内全域の測点で採集されました。
図1 ボンゴネットによるイカナゴ仔魚採集量(単位は尾/m2)
湾内全測点の平均採集尾数は176尾/m2で、仔魚が湾全域に拡散した時点の採集密度としては、昨年(1月下旬:16尾/m2)、一昨年(1月中旬:141尾/m2)を上回っています。(表1)。
表1 ボンゴネットによる仔魚採集量(湾内全点平均値)
今回湾内全域で採集された仔魚は、前回調査(1月5日)で採集された加入第1群と考えられる平均体長5.8㎜の群で(図2)、湾口部におけるふ化直後の仔魚の採集量は前回調査に比べ落ちています。
1月13日に実施された親イカナゴの試験曳きの結果では、出山で26%、鯛島礁で35.6%の親魚が未産卵でした。今回調査結果の中で、ふ化直後仔魚の急減が今後の仔魚の加入動向にどのように現れてくるか注意していく必要があります。
図2 採集されたイカナゴ仔魚の体長組成
次回の調査(愛知県実施)は18日湾口部、来週伊勢・三河湾全域で予定しています。データが整理できしだい,本情報にて報告します。