伊勢湾貧酸素情報
平成19年度貧酸素情報
(第3報)
平成19年8月8日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
湾中央部深所を中心に広範囲にわたって2ppm以下の貧酸素水塊が形成されている。その範囲は範囲は昨年同期より狭いが,平年同期に比べ,やや広い。
8月6日の調査船「あさま」の定線観測によると,水温は表層で26.3~28.4℃,10mで21.2~24.1℃,底層で19.4~22.8℃の範囲にあり,表層でやや低めからやや高め,10m及び底層で概ね平年並みからやや低めであった。塩分は表層で22.43~30.34,10mで30.89~32.56,底層で30.81~34.04の範囲にあり,表層から底層まで,平年並みから高めであった。
DO(溶存酸素量)は,表層で7.5~10.9ppm,10mで3.0~8.1ppm,底層で0.3~5.4ppmの範囲にあり,表層及び10mでは概ね平年並みから高めであった。
7月2日の定線観測では,津市と松阪沖の3測点で1ppm以下の値が観測された。台風4号(7月14日~15日に三重県に接近)通過後の7月20日に鈴鹿沖から松阪沖の5測点で行った臨時観測では貧酸素はやや解消していたが,8月6日の定線観測では湾中央部を中心に再び広い範囲で2ppm以下の貧酸素状態が観測された。表層は高温・低塩分,底層は低温・高塩分傾向にあり,上下混合が起こりにくい状態が続いているので,引き続き貧酸素水塊の動向について注意が必要である。
*本年度は愛知県水産試験場と協力して貧酸素情報を収集しております。愛知水試ホームページhttp://www.pref.aichi.jp/suisanshiken/でも画像を見ることができます。
底層溶存酸素量水平分布
7月2日
7月20日
8月6日