伊勢湾貧酸素情報
平成19年度貧酸素情報
(第1報)
平成19年6月18日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
伊勢湾の底層では溶存酸素量の低下が始まり,湾中央部では広範囲にわたって2ppm以下の貧酸素水塊が形成されている。
6月13日の調査船「あさま」の定線観測によると,表面で20.5~24.0℃,10mで18.2~20.8℃,底層で15.8~20.5℃の範囲にあった。表面で高めからやや高め,10mでやや高め,底層で平年並であった。塩分は表面で19.42~32.82,10mで31.18~33.14,底層で30.54~33.66の範囲にあり,表層で平年より高めからかなり高め,10mから底層ではほぼ平年並であった。
DO(溶存酸素量)は,表面で7.3~11.3ppm,10mで6.7~8.5ppm,底層で1.2~6.4ppmの範囲にあり,表面で平年並,10mで高めからやや高めであった。
底層では伊勢湾中央部の深所を中心に2ppm以下の貧酸素水塊が形成されており,貧酸素水塊が観測された範囲は平年同期よりも広かった。調査時は,表層で高温傾向,底層では低温・高塩分傾向にあるため,上下混合が起こりにくく,底層の貧酸素化が進行しやすい状態にあったと考えられ,今後,その動向を注視する必要がある。
*本年度は愛知県水産試験場と協力して貧酸素情報を収集しております。愛知水試ホームページhttp://www.pref.aichi.jp/suisanshiken/でも画像を見ることができます。
底層溶存酸素量水平分布(6月13日)