伊勢湾貧酸素情報
平成18年度貧酸素情報
(第4報)
平成18年10月13日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
湾中央部深所を中心に2ppm以下の貧酸素水塊が分布しているが,その厚みは海底から数m以下と薄い。伊勢湾の貧酸素水塊は解消しつつあると考えられる。
10月12日の調査船「あさま」の定線観測によると,水温は,表面で21.5~22.9℃,10mで21.9~22.4℃,底層で22.1~22.6℃の範囲にあった。表面と底層では平年並からやや高め、10mではほぼ平年並で,先月までの底層低温傾向は解消した。
塩分は表面で26.69~31.97,10mで30.74~32.35,底層で31.88~33.39の範囲にあった。表面と10mでは平年よりやや高め,底層では平年並からやや低めであった。
DO(溶存酸素量)は,表面で6.5~9.4ppm,10mで4.5~6.8ppm,底層で0.5~6.5ppmの範囲にあった。湾中央部深所を中心に2ppm以下の貧酸素水塊が分布しているが,その厚みは海底から数m以下と薄かった。
貧酸素水塊の面積は平年よりやや小さいが,溶存酸素の値は平年値より低い(下図2ppm以下貧酸素水塊)。湾口部では知多半島南部沿いに底層から湾外水が侵入し,底層の貧酸素水が中層に持ち上げられたり,表層との混合が進んで,貧酸素水塊は解消しつつあると考えられる。
*本年度は愛知県水産試験場と協力して貧酸素情報を収集しております。愛知水試ホームページhttp://www.pref.aichi.jp/suisanshiken/でも画像を見ることができます。
底層溶存酸素量水平分布(10月12日)