伊勢湾貧酸素情報
平成17年度貧酸素情報
(第3報)
平成17年7月5日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
底層の溶存酸素量は先月よりもさらに低下し,湾中央部の20~30m以深では1ppm以下となっている。貧酸素水塊(2ppm以下)は明和町と野間を結ぶラインより奥に分布し,前年同期及び平年同期に比べて大きい。
7月1日の調査船「あさま」の定線観測によると,水温は,表面で24.1~26.7℃,10mで19.5~22.6℃,底層で15.7~20.4℃の範囲にあり,表面と10mでは平年よりやや高め,底層では一部の測点を除いて平年並みからやや低めである。塩分は表面で27.78~31.61,10mで32.27~33.21,底層で32.72~34.35の範囲にあり,全層にわたって平年よりやや高めである。
DO(溶存酸素量)は,表面で5.7~7.0ppm,10mで2.0~5.4ppm,底層で0.1~5.0ppmの範囲にあり,全層にわたって平年よりも低く,底層では伊勢湾中央部から奥の深所を中心に2ppm以下の貧酸素水塊が形成されている(下図)。
湾中央部の20~30m以深では,先月7日の観測時よりもさらに溶存酸素量が低下して1ppm以下となっている。
貧酸素水(2ppn以下)が観測された範囲は前年同期及び平年同期に比べて大きいが,湾口部から流入した外海系水に押される形で,明和町と野間を結ぶラインより奥に分布している。
三重県側沿岸域では全測点で1~2ppm台の低い値となっており,浅海域への波及も懸念され注意が必要である。
底層溶存酸素量水平分布(7月1日)