伊勢湾貧酸素情報
平成17年度貧酸素情報
(第2報)
平成17年6月13日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
底層では湾中央部の深所を中心に2ppm以下の貧酸素水塊が形成されている。貧酸素水塊が観測された範囲は前年同期よりも広く,平年同期に比べてもその範囲は大きい。
6月7日の調査船「あさま」の定線観測によると,水温は,表面で20.8~22.6℃,10mで17.4~19.4℃,底層で14.1~19.3℃の範囲にあった。表面では平年よりやや高め,10mと底層では一部の測点を除いて平年並みからやや低めであった。塩分は表面で29.35~31.91,10mで32.01~33.12,底層で31.38~33.74の範囲にあった。全層にわたって平年よりやや高めであった。
DO(溶存酸素量)は,表面で5.6~7.0ppm,10mで4.3~6.3ppm,底層で1.4~5.0ppmの範囲にあった。全層にわたって平年よりも低く,底層では伊勢湾中央部の深所を中心に2ppm以下の貧酸素水塊が形成されている。
底層における2ppm以下の貧酸素水塊が観測された範囲は前年同期よりも広く,平年同期に比べてもその範囲は大きく広がっている。
調査時は,表層で高温傾向,底層では低温・高塩分傾向にあるため,上下混合が起こりにくく,底層の貧酸素化が広範囲に進行していると考えられた。
津市~松阪市~明和町にかけての沿岸域(水深15~20m)でも2ppm前後の低い値となっており,今後さらに浅海域への波及も懸念され注意が必要である(下図2ppm以下貧酸素水塊)。
底層溶存酸素量水平分布(6月7日)