伊勢湾貧酸素情報
平成15年度貧酸素情報
(第7報)
平成15年10月28日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
貧酸素水塊の規模はさらに縮小し,湾中央部の鈴鹿市~津市沖に一部残存
10月27日の調査船「あさま」の観測によると,水温は表面で18.3~20.4℃,10mで19.0~21.7℃,底層で19.2~21.7℃の範囲にあり,湾中央部の鈴鹿市~津市沖の底層でやや高めの他は平年並であった。
塩分は表面で29.99~32.26,10mで30.88~32.39,底層で30.83~33.49の範囲にあり,湾全域の全層で平年並であった。
DO(溶存酸素量)は,表面で7.0~8.1ppm,10mで5.4~7.3ppm,底層で0.1~7.0ppmの範囲にあった。底層では湾中央部の鈴鹿市~津市沖で低めの他は平年並であった。
今回の観測では赤潮は確認されなかった。
底層の貧酸素水塊は前回調査時(10月16日)よりもさらに規模を縮小し,湾中央部の鈴鹿市~津市沖に一部が残存する程度となった。前回調査時に確認された湾奥部における貧酸素化はほぼ解消された。鈴鹿市~津市沖においても,貧酸素水塊の形成は海底付近の薄い層に限られており,上下層の混合が前回調査時よりさらに進行していることがわかった。貧酸素水塊は,今後急速に衰退,消滅することが予想される。