伊勢湾貧酸素情報
平成14年度貧酸素情報
(第2報)
平成14年7月4日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
湾中央部~湾奥部の底層には,広い範囲で2 ppm以下の貧酸素水塊が分布するようになった。
7月3日の調査船「あさま」の定線観測によると,水温は表面で22.5~24.9℃,10mで19.7~21.5℃,底層で17.0~20.8℃の範囲にあった。表面では湾中央部で平年よりやや低め~低め,その他の海域では平年並,10mでは湾口部でやや低め,松阪市沖でやや高め,その他の海域では平年並,底層では松阪市沖でやや高め,その他の海域では平年並~やや低めであった。
塩分は表面で18.68~31.98,10mで31.56~32.86,底層で31.29~33.76の範囲にあった。表面では湾全域で平年よりかなり高め,10mでは湾全域でやや高め,底層では湾奥部でやや高め,その他の海域では平年並であった。
DO(溶存酸素量)は表面で6.0~12.8ppm,10mで3.0~6.6ppm,底層で0.6~5.2 ppmの範囲にあった。
今回の観測では津市~鳥羽市沖一帯でノクチルカ(夜光虫)による赤潮が確認された。
底層では湾口部の一部を除き,ほぼ全域で3ppm以下のDO(溶存酸素量)を示すようになった。また,湾中央部から湾奥部にかけての広い範囲で2ppm以下の貧酸素水塊が分布していた。貧酸素水塊の分布面積は,平年の同時期に比べてやや広い傾向にある。今後の気温上昇によって,貧酸素水塊の規模はさらに拡大する可能性が高い。