伊勢湾貧酸素情報
平成13年度貧酸素情報
(第6報)
平成13年10月5日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
津市以北の三重県側沿岸域には,依然底層にDO2ppm以下の貧酸素水塊が分布。一方,松阪市~鳥羽市沿岸域ではほぼ貧酸素水塊は消滅した。
10月3~4日の調査船「あさま丸」による伊勢湾観測によれば,表面水温は22.6~24.0℃,10mでは23.0~25.0℃,底層では23.2~24.8℃の範囲にあった。表面では湾全域で高め,10m及び底層では湾全域でやや高め~高めであった。
表面塩分は26.80~31.78,10mでは29.59~32.51,底層では29.72~33.21の範囲にあった。表面では湾奥部で高め,湾中央部~湾口部でやや高め,10mでは湾全域で平年並,底層では松阪市~伊勢市沿岸でやや低めの他はほぼ平年並であった。
DO(溶存酸素量)は表面では4.4~6.5ppm,10mでは1.2~6.0ppm,底層では0.4~6.0ppmの範囲にあった。表面では湾全域で低め,10mでは湾全域で平年並,底層では三重県側の松阪市~鳥羽市沿岸でやや高め,津市以北の沿岸で低め,その他の海域ではほぼ平年並であった。今回の観測では湾全域で透明度が高く,赤潮は確認されなかった。
津市以北の三重県側沿岸域には依然底層にDO2ppm以下の貧酸素水塊が分布していた。対照的に松阪市~鳥羽市沿岸域の底層では,5ppm台の高いDOが観測され,貧酸素水塊は消滅していた。10月1~2日に卓越した北西風の影響によって,湾中央部に残っていた貧酸素水塊が津市以北の三重県側沿岸に寄せられたもようである。同海域では上下層の混合が進行しつつあり,表・底層における水温,塩分の差も小さかった。残された貧酸素水塊も今後比較的短期間の内に消滅することが予想される。