伊勢湾貧酸素情報
平成13年度貧酸素情報
(第1報)
平成13年5月21日
三重県科学技術振興センター
水産研究部 鈴鹿水産研究室
伊勢湾内の底層には例年よりやや早い時期から貧酸素水塊が出現。湾内の底層は3ppm以下の水塊で広く覆われ,また,中央部には2ppm以下の貧酸素水塊も認められた。
5月18~19日の調査船「あさま丸」の浅海定線観測によると,表面水温は17.8~19.8℃,10mでは15.7~17.9℃,底層では13.7~17.0℃の範囲にあった。観測が5月後半にずれ込んだことを考慮すると,表面および10mでは湾全域でほぼ平年並,底層では湾口部で平年並,湾中央部~湾奥部でやや低めであった。
表面塩分は28.17~32.05,10mでは31.19~32.50,底層では31.51~34.38の範囲にあった。表面では湾全域でかなり高め,10mでは湾口部~中央部の愛知県側で平年並,湾中央部の三重県側~湾奥部でやや高め,底層では湾口部でやや高めの他は平年並であった。
DO(溶存酸素量)は表面では7.3~8.9ppm,10mでは4.4~6.9ppm,底層では1.4~6.0ppmの範囲にあった。表面では湾全域でやや低め,10mでは湾口部で平年並,湾中央部~湾奥部でやや低め,底層では湾口部で平年並,湾中央部~湾奥部で低めであった。
今回の観測では津沖でノクチルカ(夜光虫)による赤潮が確認された。また,四日市沖の一部でプロロセントラム ミニマムを優占種とする水色の悪い海域がみられた。
伊勢湾内の底層はDO3ppm以下の水塊で広く覆われ,また,湾中央部にはDO2ppm以下の貧酸素水塊が分布していることが確認された。貧酸素水塊の出現は例年に比べて半月以上早く,その規模は比較的大きい傾向にある。