マハタ種苗生産におけるウイルス性神経壊死症(VNN)の防除対策の検討
水産増殖 第50巻 第3号 355-361
土橋靖史・栗山 功・黒宮香美・柏木正章・吉岡 基
内容
マハタの種苗生産で発生するウイルス性神経壊死症(VNN)の防除を目的として,PCR法を用いたウイルス遺伝子検出による親魚の選別,オキシダント海水による受精卵消毒,およびオゾン処理海水による仔魚の飼育を実施した。その結果,2000年~2001年の8例の飼育例全てでVNNの発生は認められず,稚魚まで生産することができた。取り上げた稚魚を砂ろ過海水で飼育したところ,4例の飼育例全てでVNNによる大量死が発生したのに対し,オゾン処理海水での7例の飼育例全てで引き続きVNNの発生は認められなかった。以上の結果からこれらの対策は,マハタ種苗生産におけるVNN防除対策として有効であると判断された。