飼育条件下におけるシマイセエビ幼生の成長
Journal of Crustacean biology掲載論文
松田浩一,竹内泰介(三重科技振セ水),J. S. Goldstein
シマイセエビのフィロゾーマ幼生10個体を個別で飼育し,脱皮間隔,脱皮による成長量を調査した。ふ化時の平均体長は1.8mmで,20齢で22.1mmとなり,その後2個体がプエルルス幼生へ変態した。2個体のフィロゾーマ幼生期の期間は256日と294日(平均275日),齢数はともに22,最終齢の体長は30.8mmと32.0mm(平均31.4mm)であった。また,群飼育した500個体から定期的に幼生をサンプリングし,成長に伴う幼生の形態変化を調査した。その結果,幼生の形態を胸脚,触角の発達等を指標として10期に区分し,それら10期の形態的な特徴を記載するとともに図示した。なお,シマイセエビの幼生期の完全飼育の成功により,イセエビ属の中で幼生期の完全飼育に成功したのは4種となった。