イセエビ Panulirus japonicus の着底とサイズ別の深浅分布
日本水産学会70周年記念シンポジウム(2001年10月1日~5日)
竹内泰介・松田浩一・山川卓(三重科技水)
内容
志摩町片田漁港内において人工海藻製のコレクターを用いイセエビの着底時期を調査した。プエルルス幼生の採集は,7-9月の新月後の数日間に集中する傾向があった。 志摩町和具地先における10月から4月まで操業されているイセエビ刺し網による漁獲資料(サイズ銘柄別漁獲重量および操業深度)と月別の甲長データをもとに,着底後のイセエビの垂直分布を調査した。小型のイセエビ(120g未満)は漁期を通じて0-20m程度の浅場に漁獲が集中しており,中-大型のイセエビ(120g以上)は0-60mまでの広い範囲で一様に漁獲されることが認められた。これらのことからイセエビは比較的浅場に着底し,その後成長に伴い深場へも生息場所を広げていくことが示唆された。